リバプールが大きな転換期を迎えようとしている。ディオゴ・ジョッタとその弟の訃報によって深い悲しみに包まれたクラブは、プレストン・ノースエンドとの親善試合で追悼の意を表しながら、3-1の勝利で新シーズンに向けた一歩を踏み出した。だがピッチの外では、さらなる変化の波が押し寄せている。
ナポリが関心を示し続け、何度かオファーを提示しながらもリバプールを説得できなかったものの、サウジアラビア勢も依然としてダルウィン・ヌニェスに注目している。もしもウルグアイ代表ストライカーは、純粋なセンターフォワードがいない緊急事態に陥ってしまう。
昨シーズン後半からはフェデリコ・キエーザが同ポジションに挑戦し、ルイス・ディアスは最前線で印象的なパフォーマンスを見せたが、両選手にも移籍の噂が出回っており、リバプールにとって難しい舵取りが求められている。
クラブはヌニェス放出の可能性を完全には否定しておらず、同時に代役候補のリストアップも進めている。ニューカッスルのイサクやフランクフルトのエキティケら長身フォワード候補として挙がったが、ここにきて新たなターゲットが急浮上した。
フランスメディア『Footmercato』によれば、リバプールはクリスタル・パレスに所属する28歳FWジャン=フィリップ・マテタに注目しているようだ。昨シーズンは46試合で17ゴール4アシストを記録し、FAカップ制覇にも大きく貢献した。
リバプールはすでに代理人と接触し、パリ市内で直接会談を行ったとも報じられており、プレミアリーグにも慣れているフランス人ストライカーの去就が慌ただしくなってきた。
契約は2027年6月までの残り2年。市場価値は5000万〜6000万ユーロ前後になる可能性がある。1億ポンドを超えるオファーが必要なアレクサンデル・イサクや1億ユーロ前後の移籍金の提示が必須のウーゴ・エキティケに比べると、安価な選手と言える。
ただし、リバプールにとってこの交渉は決して一方的なものではない。イングランド国内ではマンチェスター・ユナイテッドもマテタに関心を示しており、競争は避けられそうにない。時間との勝負になる可能性もある。
とはいえ、マテタがトップクラブでどこまで通用するかには疑問が残ってもおかしくはない。さらに28歳という年齢はリバプールの条件からは外れている可能性もあり、レギュラーというよりは、イサクやエキティケら本命ストライカーが加入した場合に備えた控えの立場が想定される。
ヌニェス、ジョッタ、ディアス、キエーザ…アルネ・スロット監督の2シーズン目に向けて、攻撃陣の刷新が避けられないリバプールは、残りの移籍期間で誰をアンフィールドに迎え入れるのか…?
