ユルゲン・クロップ監督時代には、リバプールの未来を担う逸材として期待が寄せられていた20歳のスペイン人MFステファン・バイチェティッチ。中盤の底で見せるパフォーマンスに、一時はサポーターも虜になっていた。
ところが、順調な成長とは行かなかった。負傷の影響もあり、トップチームでのプレー時間は思ったほど伸びず、。さらに、アルネ・スロット監督の就任で環境も変わり、昨シーズンは前半戦をRBザルツブルクで、後半戦をラス・パルマスへのレンタルで過ごした。
特にスペインでは母国ということもあるのか、好パフォーマンスを披露。ラ・リーガで14試合に出場し、その内12試合で先発出場と評価を高めた。アンフィールドで挑戦の一年になるかと思われたが、プレストン・ノースエンドとのプレシーズン初戦ではベンチ入りすらしなかった。
主力メンバーならまだしも、若手選手で出番がなかったことは、オランダ人指揮官の構想外であることを示す結果となった。そして、昨シーズンの後半で急激に評価を高めたスペインから関心が届いている。
海外メディア『ESPN』によると、レアル・ベティスやバレンシア、ラージョ・バジェカーノの3チームが、リバプールの20歳の守備的ミッドフィルダーに熱視線を送っているようだ。なお、ローン移籍か、完全移籍での獲得かは明言されていない。
リバプールとの契約は2027年6月まで残されており、そのポテンシャルから安価での売却はイメージできない。レッズはスコットランド代表FWベン・ドークに2500万ポンドもの値付けをしているため、同じ程度の値段設定が予想される。
この価格帯であれば、レアル・マドリードやバルセロナなどを除く、スペインのクラブでも支払うことは可能。リバプールの首脳陣がどのように考えているかは未知数だが、ジャレル・クアンサーのように、またハーヴェイ・エリオットの条件のように、買い戻しオプションなどを付けた場合には値引きにも応じるかもしれない。
イングランドでは少しフィジカルや判断スピードが足りない印象もあるバイチェティッチだが、インテンシティの低いスペインであれば、より活躍できるだろう。実際にラス・パルマスでのプレーは目を見張るものがあり、キャリア浮上のキッカケになり得る。
はたして、バイチェティッチは来季、どのクラブで自らの実力を証明することになるのだろうか…?
