18歳にして既にヨーロッパ全土を震撼させるイドリッサ・ゲイエ。若きセネガル人ストライカーのアンフィールド行きが囁かれ始めている。英『Football Insider』が伝える情報によると、リバプールとウェストハム・ユナイテッドがメス所属のゲイエ獲得に向け問い合わせを行ったようだ。
アルネ・スロット監督の下で戦術的進化を遂げるリバプールだが、攻撃陣の核となるべきダルウィン・ヌニェスの安定感不足は隠しようがない。また、今夏での退団が濃厚となっており、後継者として確保した元アイントラハト・フランクフルトFWウーゴ・エキティケはまだ馴染むのに時間がかかる可能性がある。
18歳のメス所属ストライカー、イドリッサ・ゲイエに対してリバプールが熱視線を示しているというのは俄かには信じ難い。なぜなら、レッズは ニューカッスルFWアレクサンデル・イサク獲得に熱心で、プレミアリーグでもトップの移籍金を支払う準備を進めている。
また、スウェーデン代表ストライカーもチームに留まるつもりはないとクラブ側に通達し、サウジアラビアからの巨額オファーも断り、アンフィールドでのプレーのみを見つめている。こうした事情からセンターフォワードを狙うにしても、将来性を買う意味合いが強いはずだ。
ゲイエの魅力は、その圧倒的なポテンシャルにある。昨シーズンのリーグ・ドゥでは17試合に出場し6得点を記録。今季1月に移籍したメスにおいて、その才能は着実に開花させた。メスのステファン・ル・ミニャン監督は彼を主にナンバー9として起用しているが、時にはセカンドストライカーとしてもプレーさせるなど、戦術的柔軟性も兼ね備えている。
プレミアリーグから6つものクラブがゲイエに関心を示している状況は、この若手の市場価値の高さを証明している。リバプール以外にも、ウェストハム、クリスタル・パレス、サンダーランド、ブライトン、サウサンプトン、イプスウィッチといったクラブが名乗りを上げ、さらにボルシア・ドルトムント、アイントラハト・フランクフルト、パルマ、アタランタ、インテル・ミラノといったヨーロッパの強豪からも熱視線を浴びている。
この獲得競争の激化は、ゲイエがヨーロッパサッカー界で最も注目される若手の一人であることを物語っている。リバプールにとって、エキティケを獲得したにも関わらずゲイエに関心を示すということは、将来のナンバー9ポジションを確固たるものにする戦略的意図があることを示しているのかもしれない。
スロット監督が好む戦術システムにおいて、ゲイエのような選手は理想的なフィットを見せる可能性が高い。オランダ人指揮官が重視する、前線からの積極的なプレッシングと、ボール保持時の創造性を両立できる選手として、ゲイエは大きな魅力を放っている。
メスはゲイエの移籍に関して1500万ユーロを要求しているとされるが、仏『L’Equipe』の報道では2000万ユーロ程度が移籍金の目安とされている。いずれにしても、リバプールの財政力を考えれば決して高額な投資ではない。
重要なのは、ゲイエがまだ18歳という若さでありながら、既にトップレベルでの適応力を示していることだ。2029年まで契約を結んでいるメスとしては、この夏の売却で大きな利益を得られる絶好の機会と捉えているはずだ。
とはいえ、非常に多くのクラブが参戦する争奪戦で移籍金を釣り上げるような戦略はリバプールが取るはずもなく、現時点ではイサクの一本釣りが現実路線。万が一にも、失敗した場合には前線の枚数をプラスするために獲得に乗り出す可能性はあるのかもしれない…