クィービーン・ケレハーやジャレル・クアンサー、ナット・フィリップスらを売却してきたリバプールは、さらにバイエルン・ミュンヘンにルイス・ディアスを放出した。プレシーズンを過ごす中、アルネ・スロット監督の構想から外れた選手たちの運命がこれから次々と決まろうとしている。
ルイス・ディアスはミュンヘンに到着し、まもなくドイツ王者加入が発表される。アンフィールドの注目は残されたフォワード陣の行方、そして噂されている “夢のターゲット” ニューカッスル・ユナイテッドのアレクサンデル・イサク獲得に向かっている。
放出候補の中でも最も価値の高い資産として位置づけられているのはダルウィン・ヌニェス。ウルグアイ代表FWの去就は、リバプールの今後の補強プランを左右する重要な要素だ。
プレシーズンで好調なスタートを切ったにもかかわらず、ウルグアイ人ストライカーの退団は既定路線となっている。ACミランが状況を追い続けているものの、現時点ではサウジプロリーグのアル・ヒラルが最有力候補として浮上している。
リバプールが設定した5000万ポンドを超える移籍金は、サウジの潤沢な資金力にとって決して高いハードルではない。
フェデリコ・キエーザもまた、ヌニェスと同じクラブからの接触を受けているとの報道があり、この夏の移籍市場における移籍の可能性が取り沙汰されている。
来夏のワールドカップを見据えてイタリア復帰を望む27歳のウィンガーに対し、リバプールは昨年ユベントスから獲得した1250万ポンドでの損益分岐点を目指している。複数のセリエAクラブが関心を示しており、キエーザの願望と市場の需要が一致した理想的な移籍が実現する可能性は高い。
中盤に目を向けると、ハーベイ・エリオットの状況は特に複雑だ。フロリアン・ヴィルツの1億1600万ポンドでの獲得により、エリオット本来のポジションである10番での出場機会はさらに限定される見込み。今夏のヨーロッパU-21選手権でイングランド連覇に貢献し、大会最優秀選手にも選出された22歳のミッドフィルダーは、自身の将来について真剣な検討を迫られている。
フォレストからの関心を今夏初期に拒否したエリオットだが、ウェストハム・ユナイテッドや古巣フラムが動向に注目している現状を考えると、移籍の可能性は排除できない。
同じくU-21選手権で活躍した22歳MFタイラー・モートンは、昨シーズンプレミアリーグで1分も出場機会を得られなかった現実を踏まえ、リヨンやウェストハムからの関心に応える可能性が高い。
一方、ベン・ドークの市場価値も急上昇している。チャンピオンシップのミドルスブラでの成功したローンスペルを経て、フォレストを含む複数のクラブが獲得に名乗りを上げている。リバプールが設定した2500万ポンドという評価額は、19歳のスコットランド人ウィンガーの将来性を考慮すれば妥当な水準だ。
左サイドバックのポジションでは選手過多の状況が深刻化している。アンディ・ロバートソンとコスタス・ツィミカスのどちらかが放出される可能性が高く、今夏初期にアトレティコ・マドリードがロバートソンに関心を示していたが、今は落ち着いている。
いずれもセンターバックにも挑戦しており、そのポジションで可能性が見出されれば、オランダ人指揮官がロバートソンとツィミカスの両選手を残留されるかもしれないため、今後の左サイドバックを巡る動きからも目が離せない。
アレクサンデル・イサクという念願のストライカー獲得に向けたリバプールの取り組みは、今週にも具体的な局面を迎える可能性が高い。ファブリツィオ・ロマーノ氏の報告によると、書面でのオファーが間もなく提示される見込みで、1億2000万ポンド規模の移籍金が検討されている。
スウェーデン代表ストライカー自身がアンフィールドでのプレーを希望している状況を踏まえると、ニューカッスルの強硬な姿勢にも関わらず、交渉は進展する可能性がある。
この夏一気に様変わりしたアルネ・スロット監督率いるリバプールは、本格的にスロット体制に移行する。新たな時代を迎えるレッズは、残りの移籍マーケット期間でどのような動きを見せるのだろうか…?
