シーズン中から新たなセンターフォワード候補として、リバプールはニューカッスル・ユナイテッドに所属するスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクに関心を示し続けてきた。当初は1億5000万ポンドという要求額に現実味のない話かに思われていたが、最近はその可能性が急速に高まっている。
要因は2つある。これまでの移籍市場で激しい動きを見せていなかったリバプールは、1億5000万ポンドを支払う余裕があり、収益性と持続可能性に関する規則(PSR)の観点からも十分な余地を残していることがまず挙げられる。
そして、もうひとつの理由として、スウェーデン人の点取り屋がアンフィールド行きを熱望し、クラブ側に対して強硬な姿勢を続けていることがある。プレシーズンツアーにも帯同せず、現在はチームから離れて、スペインで自主練に励んでおり、移籍を認めるように働きかけている。
イサクの移籍を巡る状況について、英『Sky Sports』のキース・ダウニー記者はこの移籍劇を成立させるのに残された課題はリバプールが本当に要求額を捻出できるかどうかであると伝えた。また、所属クラブへの忠誠心を失った選手を留めておく必要があるのかと問いを投げかけた。
「ご存知の通り、彼の心はすでに他へ移っている。リバプールが交渉の席に着き、大きなオファーを提示すれば、その取引は成立するでしょう。問題は、リバプールが資金を調達できるかどうかだけだ。」
「ニューカッスルは移籍金を1億5000万にポンドに設定しており、それが彼らの要求額。私は最終的に1億3500万ポンド前後で取引が成立するだろうと思う。それでもプレミアリーグの記録を破る金額になる。」
「不安定で、不満を抱えており、問題を引き起こしている選手を保有する意味は何なのか… 選手の気持ちが揺らいでしまったら、それを元に戻すのは難しいと、私は思う。」
選手側がトレーニングを断るや無断欠席するなど、移籍を志願する選手には多くはないが、全くない出来事でもない。また、バイエルン・ミュンヘンに移籍したコロンビア代表FWルイス・ディアスのように、行動にこそ移さないが、クラブ側に移籍を打診することは頻繁にあるはずだ。
そして、リバプールは当初想定していた要求額を多少下げた価格で、ドイツ王者に28歳ウィンガーを売却。ダウニー記者の指摘するように、クラブから気持ちの離れてしまった選手を放出した格好だ。
はたして、ディアスよりも目立った抗議活動を行う元レアル・ソシエダFWは、希望通りアンフィールド行きを実現できるのだろうか…?
