2022年にレアル・ソシエダからニューカッスル・ユナイテッドへ移籍して以降、プレミアリーグにおける最も危険なアタッカーのひとりとして頭角を現してきたスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサク。
昨季のリーグ戦では34試合に出場し、23ゴール6アシストを挙げた。冷静沈着なフィニッシュワークと流動的なポジショニング、技術に裏打ちされたプレー精度は、ユルゲン・クロップ時代には見られなかったタイプのフォワードだ。
昨季から指揮を執るアルネ・スロット監督は、彼を変革をもたらす選手と位置づけている。純然たるスコアラーという意味合いだけではなく、新しいリバプールの攻撃スタイル、すなわち柔軟な連携とハイプレス、そしてポゼッション主体のビルドアップにおける前線の起点として、極めて重要な役割を担わせようとしている。
実際、イサクのプレースタイルはスロットがフェイエノールトで重用した “モバイル型9番” と合致しており、偽9番、あるいは左インサイドでのプレーにも柔軟に対応できる。縦に速いだけではない、横幅を使った崩しを可能にする。
これまではニューカッスルに獲得の意思だけを伝えてきたリバプールだが、初回のオファーは拒否された。報道機関によってバラツキはあるものの、最大で1億2000万ポンドとも言われる移籍金でも説得することはできなかった。
そして、リバプールは新たなオファーに歩みを進める。英『DaveOCKOP』によると、前払いで8000万ポンド、翌年に5000万ポンド、そしてアドオンで1000万ポンドという内訳の総額1億4000万ポンドという大金を注ぎ込む用意があるようだ。
すでにイサクはニューカッスルのアジアツアーを欠席し、古巣レアル・ソシエダの施設で自主トレを実施している。リバプールと2031年までの契約で個人合意に達しており、あとはクラブ間交渉を残すのみの状況になっている。
とはいえ、ニューカッスルも強気の姿勢を崩していない。チーム内部ではイサクの欠席を “無断” 欠勤とみなす可能性が議論されており、懲戒処分も辞さない構え。さらに、ベンヤミン・シェシュコやヨアネ・ウィサらに関心を示すも、代替選手の確保は順調に煤でいない。
こうしたチームの状況も相まって、ニューカッスルは現時点での売却には慎重。なお、リバプールはイングランド北部のクラブのスタンスが変化するか様子見を行うとも伝えられており、2度目のオファーはすぐには提示されないとの見方も多い。
はたして、リバプールとニューカッスルはシーズンが始まる前に交渉に決着をつけられるのだろうか…?
