イングランド代表センターバック、マルク・グエイの争奪戦において、これまでライバルと目されていたチェルシーとニューカッスル・ユナイテッドが相次いで撤退の姿勢を示した。
イギリス紙『The Telegraph』によると、アルネ・スロット率いるリバプールが現在、25歳のクリスタル・パレスDF獲得において完全なポールポジションを維持しているようだ。
クリスタル・パレスとの契約が残り1年となったグエイ。昨夏には7000万ポンドという高額な評価額がつけられていたが、契約満了が近づくにつれて、その数字は大幅に下落する可能性が出てきた。
リバプールはすでに2度のオファーをパレス側に拒否されているものの、移籍期限最終週に向けて3度目の正直を狙える絶好のポジションにいる。
グエイのキャリアをスタートさせたチェルシーは、レヴィ・コルウィルがACL(前十字靭帯)損傷で長期離脱となり、守備陣に大きな穴が開いているにもかかわらず、古巣復帰を積極的に追求していない。
一方、昨夏に7000万ポンド近い取引寸前まで進んだニューカッスルも、ACミランのマリック・ティアウ獲得に舵を切っており、グエイ獲得からは完全に手を引いた形だ。エディ・ハウ監督率いるマグパイズは、すでにティアウに対して正式オファーを提出したと報じられている。
ジャレル・クアンサーがバイエル・レバークーゼンへ移籍したことで、リバプールの守備陣にはフィルジル・ファンダイク、イブラヒマ・コナテ、そしてジョー・ゴメスの3人しか残っていない。さらにゴメスはアジアツアー中にアキレス腱の問題で離脱するなど、相変わらず怪我に悩まされており、スロット監督にとって信頼できる4人目のセンターバック確保が急務となっている。
グエイは昨年のユーロ2024でイングランド代表の主力として活躍し、パレスでもキャプテンとしてチームを牽引する存在だオリバー・グラスナー監督も自身の契約が最終年に入っているにもかかわらず、グエイの将来に対する不確実性を認めながらも、彼がチームにとって重要であることを強調している。
来年夏にアメリカで開催されるワールドカップを控え、定期的な出場機会を確保したいグエイにとって、チャンピオンズリーグに出場し、プレミアリーグのタイトル防衛を狙うリバプールは理想的な移籍先となるものの、レギュラーの座を確保できる保証はない。
パレスにとって、グエイは疑いなく守備陣の要だが、契約満了まで1年を切った現状で、フリートランスファーで失うリスクを考えれば、今夏の売却も現実的な選択肢となってきた。パレス側が6500万ポンドに近い金額を要求しているが、リバプールはその金額には応じない。
しかし、夏が進むにつれてパレス側も売却への圧力が高まることが予想され、3500万から4000万ポンドのレンジまで交渉の余地があるとも見られている。
はたして、リバプールは明らかに枚数が足りていないセンターバック陣に、経験豊富なディフェンダーを迎え入れられるだろうか…?
