今夏の移籍市場において、精力的に動き回ったリバプール。フロリアン・ヴィルツやアレクサンデル・イサクら大型補強も敢行し、攻撃陣やサイドバックが大幅に入れ替わった。ただし、センターバック陣は強化の必要性が叫ばれつつも、マルク・グエイ獲得に失敗するなど大物を迎え入れることはできなかった。
しかし、リバプールは楽観的だ。その理由は、パルマから獲得した18歳DFジョヴァンニ・レオーニの存在。セリエAではわずか17試合しか出場していないにも関わらず、即戦力として迎え入れられ、ジョー・ゴメスとのトップチームの3番手争いを繰り広げる。
そのポテンシャルは高く評価され、彗星の如く現れた新星のセンターバックは、恵まれた体躯や運動能力を武器に、昨季はベルギー代表FWロメル・ルカクらとも対峙した。デビューはまだお預けだが、リーグカップ3回戦のサウサンプトンとの対戦でお披露目になる可能性もある。
今回の急転直下の移籍劇について、パルマのCEOを務めるフェデリコ・ケルビーニ氏は舞台裏を告白。同じくプレミアリーグのニューカッスルからのオファーにも首を縦に振らなかったイタリアのクラブが、レオーニ売却に傾いた理由を語った。
「私は常々、クラブがオーナー陣と共にジョヴァンニを残留させたがっていたし、彼も喜んで残ると言っていたと話してきた。」
「我々はニューカッスルからのオファーも断っていた。その額は、最終的にリバプールが提示した額よりも好条件だった。」
「だが、リバプールが獲得に乗り出したとき、我々の計画は変わった。オファーが非常に魅力的だったことと、ジョヴァンニ自身がこの機会を活かしたいと強く望んだからね。」
「有望な選手を失ったことは残念だが、我々のようなクラブにとって誇りでもある。彼がセリエBで数試合しかプレーしていなかった頃、この若手を信じた人々の功績が認められたということだからだ。」
Gazzetta di Parma
リバプールのセンターバック陣は過渡期にある。オランダ代表DFフィルジル・ファンダイクは来年には35歳を迎え、いつまでも頼り続けることはできない。フランス代表DFイブラヒマ・コナテも契約更新するかどうか未知数で、来夏にフリートランスファーで退団する可能性を残す。
負傷が続くゴメスはなかなか計算しにくいタイプの選手で、今夏にはもしもリバプールがグエイ獲得に成功していれば、ACミラン行きが濃厚だったようで、オランダ人指揮官にとって退団を容認する選手のひとりであることが浮き彫りとなった。
ジャレル・クアンサーをバイエル・レバークーゼンに売却したセンターバック陣において、18歳の次世代センターバックにかかる期待は大きい。とはいえ、まだまだ圧倒的に経験が足りない。
憧れを抱いていたファンダイクと一緒に練習する中で、プレミアリーグでも屈指のセンターバックとしての地位を築いてくれると信じたい…
