アンディ・ロバートソンが副キャプテンに就任してから僅か3週間、31歳のスコットランド代表左サイドバックを取り巻く環境は劇的に変化している。アルネ・スロット監督体制2年目のアンフィールドで、経験豊富な左サイドバックの処遇が新たな注目点となっている。
トレント・アレクサンダー・アーノルドのレアル・マドリード移籍を受けて新たな責任を背負うことになったロバートソンだが、彼自身の契約が2026年夏に満了を迎えるため、リバプールは新契約オファーの検討していると、イギリスメディア『Football Insider』が報じた。
今夏の移籍市場では、ボーンマスからミロシュ・ケルケズが加入し、ロバートソンのポジションに競争が生まれた。ハンガリー代表DFは開幕から5試合連続でスタメンを務めていたが、チャンピオンズリーグではスコットランド代表DFがレギュラーの座を射止めた。
8年間にわたってアンフィールドの左サイドを守り続けてきたロバートソンにとって、現在の立場は複雑なものとなっている。本人も契約満了について “それもサッカーの一部だ。リバプールのようなクラブにいれば、挑戦を受けることは当然だ” とも語っており、競争環境を受け入れる一方で、将来への不確実性も認めている。
アトレティコ・マドリードはこの夏の移籍市場からロバートソンに関心を示し続けており、2026年の夏にフリートランスファーでの獲得を視野に入れているとの報道も出回っている。
ディエゴ・シメオネ監督のもとで確立された戦術システムにおいて、攻守両面で高いレベルを要求される左サイドバックは重要なポジションになり得る。ロバートソンの豊富な経験と安定したパフォーマンスは、マドリードのクラブが求める理想的なプロフィールと合致している。
31歳という年齢を考慮しても、プレミアリーグとチャンピオンズリーグでの豊富な実績を持つ選手を移籍金なしで獲得できる機会は滅多にない。特にリバプールでの8年間で培った戦術理解度と、大舞台での経験値は金銭では測れない価値があるのは間違いない。
一方で、リバプール側の懸念もある。2017年にハル・シティから僅か800万ポンドで獲得したロバートソンは、その後のクラブの黄金期を支える重要な戦力として機能してきた。プレミアリーグ制覇、チャンピオンズリーグ優勝、FIFAクラブワールドカップ制覇など、数々のタイトル獲得に貢献した選手だけに、精神的な支柱としても機能している。
昨シーズンには年齢によるパフォーマンスの低下が見受けられたスコットランド代表のキャプテンだが、毎週のようにプレーするのは耐えられないものの、レギュラーを外れた今季は休み休みでプレーする分にはレベルの高いプレーぶりを披露している。
アルネ・スロット監督にとっても経験豊富なベテランDFは、戦力として数えており、来季以降も残留すれば中核を担う可能性も高い。
はたして、来夏には契約が切れるディフェンダーだが、契約満了とともにアンフィールドを離れるのか、もしくは来シーズンもリバプールに留まるのか…?
