リバプールが本格的に動きを見せているのが、ブラジル・グレミオに所属する16歳のゴールキーパー、ガブリエル・メネゴンだ。ブラジルメディア『ESPN Brazil』の報道によれば、すでにクラブは代理人や関係者を通じて詳細な情報収集を進めており、ノッティンガム・フォレストも同様に獲得へ関心を寄せている。
メネゴンは身長196cmという規格外の体格を誇り、ブラジルU-17代表の正守護神として国際舞台に立っている。年齢を超えた落ち着きと反射神経は、同世代のGKと比較しても群を抜いており、すでに国内では「次の大器」として注目を集めている。
グレミオではトップチーム昇格が目前とされるが、ヨーロッパの複数クラブが水面下で動いているため、その未来は急速に海外へと開かれつつある。
リバプールがこのタイミングで動いた背景には、クラブの長期的なゴールキーパー戦略がある。アリソン・ベッカーは依然として世界最高峰の守護神だが、32歳を迎えた今、次世代の準備は避けられない課題となっている。
すでにジョルジ・ママルダシュヴィリを後継候補として確保しているが、圧倒的なサイズを活かしたハイボール処理と、至近距離でのシュートストップ能力を有するメネゴンのような若き才能を早期に確保することは、より長期的なビジョンに基づいた補強になり得る。
ただし、現代的なゴールキーパーに求められるビルドアップ能力はまだ発展途上だ。グレミオのユースでは足元の技術を磨いている最中であり、リバプールの戦術に適応するには時間を要するだろう。しかし、クラブが長期的な視点で育成を考えているのであれば、メネゴンは十分にその投資に見合う存在となる。
リバプールは過去にもフルミネンセからマルセロ・ピタルガを獲得したが、彼はトップチームに定着できずに母国へ戻った経緯がある。その経験があるからこそ、今回のメネゴン獲得にはより慎重かつ戦略的なアプローチが求められる。
ノッティンガム・フォレストもまた、若手ブラジル人GKの獲得に積極的であり、すでにジョン・ビクトルを迎え入れている。その流れの中でメネゴンを狙うのは自然な動きであり、リバプールにとっては競争の激化を意味する。移籍金や契約条件だけでなく、育成環境や将来の出場機会をどう提示できるかが勝負の分かれ目になるだろう。
プレミアリーグの環境は若手GKにとって決して容易ではない。フィジカルの強さ、試合のスピード、そしてメディアの注目度は、南米のユース世代とは比較にならない。だが、リバプールの育成部門は近年、若手選手の成長を支える体制を整えており、メネゴンにとっても理想的な環境を提供できる可能性がある。
さらに、アリソン自身がブラジル出身であり、同郷の後輩を導く存在となれる点も見逃せない。過去のピタルガのケースを繰り返さないためにもスカウティングをさらに深める必要はありそうだが、ブラジルの逸材GKがアンフィールドにやってくる未来はあるのか…?
