この夏の移籍市場において、クリスタル・パレスのイングランド代表DFマルク・グエイ獲得に失敗したリバプール。それでも25歳のセンターバックへの関心は衰えておらず、来夏にフリートランスファーでの獲得を狙っている。
一方で、リバプールのセンターバック陣には不安が付き纏う。イブラヒマ・コナテが契約更新問題に揺れており、フィルジル・ファンダイクは依然として抜群のパフォーマンスを披露しているが、34歳という年齢は頭に入れて置かなkればならない。
また、グエイが獲得出来ていれば、ジョー・ゴメスは放出される見通しだったことから、28歳DFのアンフィールドでの時間も短いかもしれない。この夏に加入した18歳DFジョヴァンニ・レオーニはまだまだ経験不足は否めない。
スペインメディア『Fichajes』によると、リバプールはアヤックスの22歳DFユーリ・バースの獲得に強い関心を寄せており、アルネ・スロット監督がオランダU-21代表DFを高く評価しているようだ。2028年6月まで契約を結ぶ188cmのセンターバックの市場価値1200万ユーロと言われる。
バースの経歴を紐解くと、その成長軌跡には目を見張るものがある。2018年にアヤックスのユースアカデミーに足を踏み入れると、クラブの伝統的な育成システムの中で着実にステップアップを重ねてきた。
2020年12月11日、デ・フラーフスハプとのエールステディヴィジでの試合でヨング・アヤックス(セカンドチーム)デビューを果たし、2021年3月26日には2024年まで契約延長を締結。その後、2023年のNECナイメヘンへのレンタル移籍がキャリアにとって転換点となった。
NECでの1シーズンは、バースにとって実戦経験を積む貴重な機会だった。エールディヴィジという厳しい環境の中で、彼は守備の要としての役割を全うし、チームのKNVBカップ準優勝に貢献した。この経験が、現在のアヤックスでのレギュラーポジション獲得につながっている。
今シーズンもアヤックスでレギュラーの座を掴み取っており、これまでのエレディヴィシーとチャンピオンズリーグの全てでスタメン出場を果たしている。
ボールの扱いに長け、試合を早い段階で読み、さらに大きな成長の余地を秘めた選手と認識されている。まだ22歳という若さでありながら、ピッチ上での判断力は驚くほど冷静で的確。また、左利きという特性を生かした精密なパスワークは、アヤックスの攻撃の起点となることも少なくない。
オランダ人選手も増えつつあるリバプールにおいて、チームに馴染むのは難しくない。同国代表のファンダイクのようなリーダーも在籍しており、あらゆる面で成長を手助けしてくれることは間違いない。
とはいえ、リバプールの最優先はグエイであることに変わりない。経験値的にはレギュラー候補というよりも、ジョー・ゴメスのような立ち回りを期待しているのかもしれない。
はたして、リバプールはアヤックスで活躍する22歳のセンターバックに白羽の矢を立てるのだろうか…?
