この夏、リバプールは大型補強を敢行した。フロリアン・ヴィルツやアレクサンデル・イサクらを獲得し、チームメンバーたちは大幅に入れ替わった。ここにイングランド代表DFマルク・グエイも加わっていた可能性があったのは、驚きを持って受け入れられる。
一方、かつてのライバルチーム、マンチェスター・ユナイテッドは苦しんでいる。昨シーズンはプレミアリーグで15位に沈んだ。ただし、リバプールとは異なり、毎年のように大金を投じているものの、結果が出ていない。
ジェイドン・サンチョ、アントニー 、メイソン・マウント、ドニー・ファン・デ・ベーク、ハリー・マグワイア、ロメウ・ルカクなど巨額を投じたにも関わらず、期待はずれなパフォーマンスに終始ししてきた選手は数えきれない。
サー・ジム・ラトクリフ氏はそんな体制から脱却するために奔走しているが、他にも移籍金こそそこまでかかっていないが失敗作と評される選手も少なくない。
サー・アレックス・ファーガソン時代に、マンチェスター・ユナイテッドで活躍し、イングランド代表でもプレーしたテディ・シェリンガム氏は、イサクやハリー・ケイン、デクラン・ライスらトップレベルの選手を獲得できたはずなのに、微妙な選手に白羽の矢を立ててきた古巣の方針を批判した。
「私はふたたびハリー・ケインとデクラン・ライスが両方獲得可能だった時に立ち返りたい。マンチェスター・ユナイテッドは、どちらの選手にも全く手が届いていなかった。」
「その代わりに、ユナイテッドはイングランドのフットボールに慣れていない選手たちに資金を投じた。彼らは多額の費用を使ったが、適切な選手を獲得できなかった。」
「彼らは1億ポンドでケインを獲得できたはずなのに、結局ラスムス・ホイルンドに7000万ポンドを費やした。」
「彼らはこの夏、1億2000万ポンドでアレクサンデル・イサクを獲得できたはずだが、代わりにベンヤミン・シェシュコを獲得した。」
「サー・アレックス・ファーガソンならば、常に一歩踏み出し、大金を叩いてでもあのリーダー、あのトッププレイヤーを獲得していただろう。」
「彼がユニフォームに袖を通した瞬間に誰もが、 “ワオ、なんて選手だ。彼のようにプレーしたい。彼のような選手になりたい” と思うようにするためだ。」
「自身の能力に自信が持てない選手や、プレミアリーグに初めてやってきた選手を獲得すると、彼らは周りを見渡し、助けを求めてしまう。」
「しかし、それでは機能しない。7000万ポンドの選手であるならば、道を指し示すべきなのだ。」
「だから、私にとっては難しい話ではない。マンチェスター・ユナイテッドが今いる場所(順位)にいる理由は、彼らが獲得してきた選手の格が十分ではないからだ。」
TEAMtalk
プレミアリーグで功績のある選手だが、最近のユナイテッド事情は理解できていないのかもしれない。まず、昨季15位に沈み、ヨーロッパ大会に出れないクラブに、世界でもトップレベルのストライカーであるアレクサンデル・イサクが移籍するわけはない。いくら移籍金を積まれてもだ。
それは、シェリンガムが例として出したケインやライスにも通じる。まだまだブランド力で獲得できる選手は多いが、本当のトップランカーはなかなか手出ししにくい状況になっており、今は高望みするのではなく、手に入れられる選手たちととも立ち上がらなければならない。
