リバプールはブレントフォードに3-2で敗れ、プレミアリーグ4連敗という悪夢のような記録を更新した。この連敗は、10月4日のチェルシー戦での2-1の敗北から始まり、10月19日にはアンフィールドでマンチェスター・ユナイテッドに1-2で屈した。
昨シーズンのプレミアリーグを制覇したリバプールが、わずか2ヶ月でここまで失速するとは誰が予想しただろうか。4連敗という記録は、2021年2月以来のことだ。アルネ・スロット監督にとって、キャリア初となる4連敗という屈辱的な記録が、就任2年目のこのタイミングで刻まれることになった。
試合内容を見れば、問題の根深さが見えてくる。ブレントフォード戦では、ダンゴ・ワッタラが開始5分で先制点を奪い、ケビン・シャーデが前半終了間際に追加点を記録した。リバプールはミロス・ケルケズがハーフタイム直前に1点を返し、モハメド・サラーが終了間際に得点を挙げたものの、時すでに遅し。イゴール・チアゴのPKで3点目を許していた。
マンチェスター・ユナイテッド戦でも、ブライアン・ムベウモがわずか62秒で先制点を奪った。コーディ・ガクポが3度もゴールフレームに阻まれながら、ようやく78分に同点ゴールを決めたかと思えば、ハリー・マグワイアが終盤にヘディングで決勝点を挙げた。2016年以来となるアンフィールドでのユナイテッドの勝利を許してしまった。
リバプールのレジェンド、ジェイミー・キャラガーは、英『Sky Sports』においてリバプールの現状に対して容赦ない言葉を投げかけた。キャラガーはリバプールがいま危機に直面していると断言し、フィジカルと高さが決定的に不足していると指摘した。
ブレントフォードにとって4連敗は大惨事だ。だが王者がこれだけの補強費を投じてこの結果では、リバプールは完全に危機的状況にある。ドレッシングルーム内では、選手たち、コーチングスタッフ、そして監督の上層部の間で厳しい議論が交わされるだろうと、キャラガーは語った。
「ブレントフォード相手に4連敗するのは悲惨なことだろう。しかし、夏の支出を考えれば、昨季の王者がそれをしているというのは、今やリバプールにとって危機的な時期にあることを意味する。」
「ドレッシングルームでは、選手たち、コーチングスタッフ、そして監督の上の人間との間で、多くの深刻な質問が交わされることになる。彼らが(夏の)支出額を振り返ったとき、もっと多くを求めているはずだ。」
「リバプールは、チーム内のフィジカルと高さに目を向けなければならない。なぜなら、現時点では、それが十分ではないと私は考えているからね。」
キャラガーが特に問題視したのは、セットプレーとロングボールへの対処能力。コナー・ブラッドリーは自分のフィジカルに自信がないため、相手選手に密着しすぎてイエローカードを何枚も受けている。リバプールは最初の競り合いに勝てず、セカンドボールも拾えないという、プレミアリーグで生き残るための基本的な要素が欠如している。
フロリアン・ヴィルツはクラブでの初ゴールを待ち続けており、前半に絶好のチャンスを外した。116億ポンドで獲得したドイツ代表MFは、リバプールのスタイルにまだ適応できていない。ヴィルツに限らず、イサクやギオルギ・ママルダシュヴィリ、新加入のサイドバックたちは、いずれも小柄で、プレミアリーグやスロットのサッカーに十分対応できていない。
リバプールは9月14日のバーンリー戦以来、クリーンシートを保っていない。守備の脆弱性は、単なる一過性の問題ではなく、チーム構造そのものに根ざした深刻な欠陥となっている。
一方、英『Sky Sports』の解説者ガリー・ネビルも、リバプールの守備的な崩壊に警鐘を鳴らしている。ネビルは自身のポッドキャストで、リバプールの最近のフォームはもはや一時的な不調ではなく、懸念すべき事態になっていると述べた。
「アルネ・スロット監督率いるリバプールは、少し私の古いマンチェスター・ユナイテッドのチームを思い出させる。」
「我々は、いつも得点できそうなのに、チーム全体がバラバラになってしまうという、とんでもない時期を経験した。サラー、エキティケ、ヴィルツ、イサク、ガクポ、そして他の選手たちがいれば、ゴールは保証されるだろう。しかし、他の選手たちは、常にソリッドで、隙だらけにならず、晒されないようにする責任がある。」
「ゼロからのスタートのように聞こえるが、時にはそうしなければならない。全てがクレイジーで混沌としているとき、まさに今のリバプールがそうだが、まずは強固な土台を見つけなければならないんだ。」
ネビルは、リバプールが攻撃的な選手たちの才能に頼りすぎて、守備のバランスを失っているとみている。ネビルはリバプールの攻撃陣を厳しく批判し、特にチェルシー戦の最後15〜20分間の創造的な選手たちは全く役に立たなかったと断じた。サラー、ガクポ、ヴィルツといったタレントたちが、信じられないほどボールを失い続けた。
ネビルはリバプールに対し、より直接的なプレーと狭い守備陣形を求め、バックラインを絞ってプレーをもっと安全にし、前線の3人に試合を決めさせるべきだと提言。スロット監督は戦術を単純化し、コントロールを取り戻す必要がある。
これはもはや一時的な不調ではなく、懸念すべき問題だ。リバプールはアーセナルから7〜8ポイント離されるわけにはいかないとネビルは強調した。現在、リバプールは7位に沈み、首位アーセナルとは勝ち点差が開きつつある。
昨シーズンはユルゲン・クロップ監督が構築したチームを引き継ぎ、大きくいじらずにプレミアリーグを制覇。この夏には大幅に好みの選手を迎え入れ、好みのプレースタイルに突き進む中、ピッチでチグハグ感が続いている。
フェイエノールトでこそ実力を発揮し、プレミアリーグ1年目で栄冠を掲げたオランダ人指揮官は全体的なパフォーマンスが上がらない中、軌道修正し首位争いに残れるだろうか…?
