ピッチ上の熱戦とは裏腹に、水面下では来るべき1月の移籍市場、そして来夏の編成を見据えた情報戦がすでに沸点に達している。2025-26シーズンも折り返し地点が見え始めた今、リバプールのスカウト部門が、ドイツの地でひとりの若き才能に完全にロックオンしたという情報が飛び込んできた。
その選手の名は、RBライプツィヒに所属する19歳MFアサン・ウエドラオゴ。もはや原石の時期を超えて、所属クラブでレギュラーの座を掴み初めている。
ドイツ紙『Sport Bild』が報じた内容によれば、リバプールは、プレミアリーグの覇権を争う宿敵アーセナルと共に、この若き巨塔の獲得レースに参戦したようだ。また、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーも関心を示している。
なぜ、ウエドラオゴなのか。その答えは、彼のプレー映像をわずか数分見るだけで理解できる。191センチという、中盤の選手としては規格外のサイズを持ちながら、彼はまるで重力を無視するかのような軽やかさでピッチを舞う。
長い手足から繰り出されるボールタッチは、相手ディフェンダーの予測範囲をあざ笑うかのようにすり抜け、一度加速すれば、大柄な男たちが群がっても止めることは不可能。中盤の底からファイナルサードまでを制圧する支配者として覚醒した。
かつてポール・ポグバが世界を驚愕させたような、あるいはジュード・ベリンガムが現在進行形で世界を席巻しているような、フィジカルとテクニックの完全なる融合がそこにある。だが、ウエドラオゴには彼らとも違う独特のリズムがある。
リバプールの中盤に話を戻すと、ライアン・フラーフェンベルフがアンカーとして新境地を開拓し、ドミニク・ソボスライがダイナモとして走り回り、アレクシス・マック・アリスターが魔法をかける。
だが、プレミアリーグとチャンピオンズリーグの二冠を目指す長い旅路において、絶対的に不足しているピースがある。それは理不尽なまでのフィジカル的優位性で、日本代表MF遠藤航がベテランの味を見せているとはいえ、年齢的な曲がり角は避けられない現実が存在する。
プレミアリーグ勢による争奪戦は熾烈を極めているが、リバプールとRBライプツィヒとの関係性は良好。ナビ・ケイタ、イブラヒマ・コナテ、そしてドミニク・ソボスライら過去にはレッドブルからリバプールに渡っており、ザルツブルクも含めれば南野拓実やサディオ・マネも対象となる。
とはいえ、現時点でリバプールにとって中盤強化は最優先課題ではない。それぞれベテランとなったモハメド・サラーとフィルジル・ファンダイクの後継者が優先されるべきであり、遠藤や若手MFトレイ・ナイオニらも考慮すれば、十分な陣容が揃っている。
はたして、リバプールは将来のトッププレーヤー候補の19歳MFウエドラオゴ獲得に本腰を入れるのだろうか…？