クリスタル・パレスでの躍動が欧州全体の注目を集めるダニエル・ムニョスに、興味深い助言が届いた。コロンビアの元代表DFフアン・カミーロ・スニガが、現地ラジオ局『Caracol Radio』のインタビューで、ムニョスがバルセロナではなくリバプールを選ぶべきだと明言した。
ムニョスは膝の手術から復帰を目指している最中だが、その復帰後のパフォーマンス次第で2026年夏の移籍市場が大きく動く可能性がある。
ムニョスは2024年1月にゲンクから約800万ユーロでクリスタル・パレスに加入し、オリヴァー・グラスナー監督の攻撃的システムで水を得た魚のように活躍してきた。2024/25シーズンに入る前、彼は2025年5月のFAカップ決勝でマンチェスター・シティを相手にアシストを記録し、クラブ史上初のメジャータイトル獲得に貢献。この活躍を受けて、パレスは2025年4月に彼との契約を2028年まで延長している。
29歳の彼がこれまでに記録したのは、全54試合で6ゴール10アシスト。10月にはUEFAカンファレンスリーグでディナモ・キエフ相手に得点し、クリスタル・パレス史上初めてヨーロッパ大会の本戦でゴールを決めた選手となった。
11月には再びウルヴァーハンプトン戦で得点するなど、攻撃面での貢献は群を抜いている。しかし12月に入り、膝の怪我が彼を苦しめた。グラスナー監督によれば、膝の腫れがあり無理はさせられないとのことで、結局手術が決定。4週間から6週間の離脱が見込まれている。
スニガがムニョスにリバプール移籍を勧める根拠は、プレースタイルへの適応がある。リバプールは攻撃的でボックス・トゥ・ボックスのプレーを重視するチームであり、ムニョスのような活動的でスペースへの飛び出しに長けた選手には理想的な環境。
ダニのプレースタイルを考えれば、私は彼をリバプールに置くと、スニガはこう述べた。攻撃とボックス・トゥ・ボックスのプレーが多いチームは彼に非常に適している。ダニは極めて活動的で、スペースを攻撃する能力に優れているから、私は彼をプレミアリーグに残したい、と。
この発言の背景には、ムニョスの特性に対する深い理解がある。リバプールのシステムでは、サイドバックが高い位置まで駆け上がり、前線の選手と連動して攻撃を組み立てる役割が不可欠。
2025年夏にトレント・アレクサンダー=アーノルドがレアル・マドリードへ移籍したことで、リバプールは右サイドバックのポジションに穴を抱えている。ムニョスは、アレクサンダー=アーノルドが体現していた攻撃的なサイドバック像を継承できる数少ない候補のひとりである。スペースへの侵入、クロスの精度、そして得点力…あらゆる面でフィットする可能性が高い。
アルネ・スロット監督もまた、攻撃的なフルバックの活用を戦術の中心に据えている。ムニョスの爆発的なスピードとエネルギーは、スロットのシステムにおいて大きな武器となるだろう。加えて、プレミアリーグのテンポとフィジカル性は、ムニョスのアスリート能力を最大限に引き出す舞台でもある。
ただし、ジェレミー・フリンポンも獲得し、コナー・ブラッドリーも好パフォーマンスを披露する試合もある中、30歳を手前にしている選手に視線を移すとは考えにくい。また、ジョー・ゴメスやドミニク・ソボスライも穴を埋められるため、リバプールが動く可能性はゼロに近い。
まして、同クラブのキャプテンであるイングランド代表DFマルク・グエイに熱視線を向けている以上、一気に2枚獲りは考えにくい。よって、コロンビア代表の先輩の希望は叶わなそうだ…
