真冬の移籍市場がまもなく開幕を迎える。しかし、アンフィールドの強化部門は、すでに熱を帯びたターゲットを絞り込んでいる。その中心にいるのが、ブレントフォードのブラジル人ストライカー、イゴール・チアゴであると、海外メディア『CaughtOffside』が伝えた。
今季プレミアリーグでのパフォーマンスは、好調という言葉では片付けられない。現在までに積み上げた11ゴールは、リーグでアーリング・ハーランドの19ゴールに次ぐ得点ランキング2位に位置する。
中堅クラブであるブレントフォードで、この驚異的なペースでゴールを量産している事実は、彼の決定力がプレミアリーグのトップレベルで通用することを示す。
リバプールがチアゴに熱視線を送る背景には、アルネ・スロット監督の戦術的な要求が深く関わる。スロット監督が志向するフットボールは、前線からの組織的なハイプレスと、流動的なポジションチェンジを基盤とする。
このシステムにおいて、最前線でボールを確実に収め、周囲との連携を円滑にし、最終的にゴールを仕留めるセンターフォワードは、攻撃の生命線となる。また、トッテナム戦で負傷したアレクサンデル・イサクの穴を埋める役割としても期待される。
身長191cm、体重84kgの強靭なフィジカルは、プレミアリーグの激しい肉弾戦において、最前線で揺るぎない基準点を確立。相手センターバックを背負いながらボールをキープし、味方のミッドフィールダーやウイングが前線に押し上がるための “タメ” を作り出す。
スロット監督がフェイエノールト時代に求めたセンターフォワード像との共通点が浮かび上がる。単に前線で待ち構えるのではなく、積極的に中盤に降りてきてパス交換に参加する。このリンクアッププレーの巧みさは、リバプールが目指す、流れるようなポゼッションと素早い展開を両立させる上で極めて重要となる。
さらに、守備への貢献も高い。ブレントフォードでのプレーは、前線からのプレッシングを怠らない、極めて献身的な選手であると証明済み。運動量と、相手ディフェンスラインへの継続的な圧力は、ユルゲン・クロップ前監督時代からリバプールに受け継がれてきた “ゲーゲンプレッシングの魂” を、スロット監督のシステム下でも維持することを可能にする。
負傷したと言えども、イサクを獲得し、同じポジションにはフランス代表でも初ゴールを奪ったウーゴ・エキティケも加入。スウェーデン代表FWはコンディション調整に苦労し続けているものの、エキティケはすでにチームの主力としてゴールを多く奪っている。
フェデリコ・キエーザらもセンターフォワードで起用される機会があるが、イサクの離脱で枚数が足りないのは事実。とはいえ、そこにチアゴみたいな選手は打ってつけであるが、それなりの移籍金が必要となるため、現実的にはコーディ・ガクポやモハメド・サラーを最前線に置く方が確率は高そう。
いずれにしても、イサクとエキティケの2枚看板を確保しただけに、いま新たなストライカー確保に動き出す未来図は描きにくい。それよりもサラーの後継者になり得るウィンガー獲得が優先課題であり、イゴール・チアゴがアンフィールドに降り立つ可能性はほぼゼロと言って良いだろう。
はたして、予想に反して、新たなセンターフォワード確保に動き、ブレントフォードのエースに本腰を入れるシナリオはあり得るのだろうか…?
