マージーサイドの冬は、移籍市場の熱狂で凍てつく寒さを忘れさせる。サッカー界の視線は、すでに来夏の移籍マーケットにも向かっている。リバプールにとっては、フィルジル・ファンダイクの年齢やイブラヒマ・コナテの契約問題に揺れる中、センターバック補強は避けられない課題となっている。
海外メディア『Quotidiano Sportivo』によると、リバプールはインテル・ミラノの最終ラインを統率するイタリア代表DFアレッサンドロ・バストーニ争奪戦に加わり、しばらく関心を示しているバルセロナとの熾烈な競争が幕を開けたようだ。
左足から繰り出される正確無比なパスと、ディフェンスラインを飛び越えて前線に供給されるロングボールはバストーニの強み。身長190cmの恵まれた体躯を持ちながら、足元の技術はミッドフィールダーと遜色ない。
インテルでは主に3バックの左を務め、攻撃時には左サイドをオーバーラップするウイングバックを効果的にサポートし、時には自らボールを持ち運んで攻撃の起点を作り出す。パス成功率は常に90%を超え、特にアタッキングサードでのタッチ数が多いというデータは、ディフェンスだけではなく、攻撃の起点として機能していることを裏付けている。
スロット監督が志向するポゼッションを重視した戦術において、左センターバックからの正確な配球はチームの生命線となる。ケルケズやロバートソンら左サイドバックの選手を高い位置で機能させ、中盤の選手に新たなスペースを生み出すの役割を担えるセンターバックはさほど多くはない。
クリスタル・パレスのイングランド代表DFマルク・グエイがトップターゲットであることに変わりないが、フリートランスファーになる25歳DFを巡っては各国の強豪クラブが熱視線を送っており、熾烈な競争が繰り広げられることは確実。
一方、バルセロナは依然として財政的な問題を抱えながらも、バストーニ獲得を諦めていない。精神的な問題で離脱中のロナルド・アラウホに加えて、この夏にはイニゴ・マルティネスらベテラン勢も退団しており、計算できる経験豊富なセンターバックはチームに欲しい人材と言える。
リバプールからすれば、もしもグエイを獲得できなかった場合のターゲットのひとり程度だろう。そこまで具体的な動きは見られずに、イタリア方面からしかバストーニへの関心が出てこないあたりは、信憑性は決して高くない。
ジョー・ゴメスにも退団の噂が出ているため、イタリア代表DFも加えられれば戦力アップは叶う。また、同郷の19歳DFジョヴァンニ・レオーニのロールモデルとしても期待できるが、現時点でリバプールがインテル・ミラノに熱視線を向けているとは考えにくい。
他にもボルシア・ドルトムントDFニコ・シュロッターベックらもリストアップしているとされており、アルネ・スロット体制における最終ラインがどのように落ち着くのか注目したい…
