この冬の移籍市場が終わりを告げようとする中で、プレミアリーグを揺るがす大きな動きが表面化した。昨日行われた激闘の余韻が残る中、ひとりのディフェンダーの去就を巡る喧騒が収まる気配を見せない。
ピッチ上で献身的なプレーを見せ、サポーターの声援に応えたリバプールDFアンディ・ロバートソンの視線は、すでにマージーサイドの地を離れ、ロンドンへと向いている。英『Mail Online』によると、同選手の獲得を巡って、トッテナムとリバプールの間で500万ポンドという驚きの金額での交渉が最終局面を迎えているようだ。
この金額設定は、現代のインフレ化した移籍市場においては破格であり、両クラブの思惑が激しく交錯する中で導き出された数字。合意の瞬間は数日以内に訪れると見られており、アンフィールドの住人が新たな挑戦へと踏み出すカウントダウンが始まったとも報じている。
トッテナムのトーマス・フランク監督が今、最も求めているのは守備陣の厚みと、過酷なプレミアリーグを勝ち抜くための経験値。今シーズン、特に左サイドバックの負傷者続出に苦しむトッテナムにとって、リバプールで鍛え上げられた守備のスペシャリストを確保することは、後半戦の命運を分ける。
500万ポンドという投資額は、現在の市場価値からすれば信じがたいほど安価だが、そこには契約残存期間や選手の意向が複雑に絡み合っている。リバプール側も、アルネ・スロット監督の下で新たな守備の秩序を構築しており、かつての主力の放出を容認することで、チームの若返りと人件費の圧縮を加速させる狙いがある。
同紙によれば、交渉はすでに予備段階を通過し、現在は最終的な支払い条件やボーナスの細部を詰める段階に移行している。昨日の試合で彼がピッチに立った事実は、むしろトッテナム側にその即戦力としての価値を再確認させる結果となった。
リバプールのファンにとっては、長年チームの危機を救ってきた戦士が去ることへの寂しさは拭えない。しかし、出場機会が減少していたスコットランド代表のキャプテンにとって、ロンドンの地でふたたび主役を演じるチャンスを得ることは、キャリアの最終盤を輝かせるための賢明な選択とになり得る。
リバプール側も、クラブへの貢献に対する敬意として、移籍金の引き下げに応じた側面がある。この500万ポンドという数字には、ドライなビジネスとしての側面だけでなく、これまでの献身に対する感謝と、新天地での成功を祈る温かな情意が込められている。
とはいえ、ロバートソンの持つキャプテンシーを手放すのは惜しい。今シーズンをもって契約満了を迎えるだけに、移籍金を得るのであれば最後のチャンス。ただし、若きDFミロシュ・ケルケズの成長や、スロット体制への完全移行という難しい局面において、百戦錬磨の左サイドバックの存在は欠かせない。
個人的には今シーズンが終了するまではアンフィールドに残留させた方が良さそうな気もしないでもないが、リバプールのフロント陣ならびにスロット陣営がどのような決断を下すのか注目が集まる…
