マージーサイドの冬の夜気が、一報のニュースによって熱狂へと変わった。移籍市場の最終盤、リバプールがスタッド・レンヌに所属する20歳の超新星、ジェレミー・ジャケの獲得に関して完全合意に至った。
この契約は2026年夏の加入を前提とした事前合意であり、移籍金は5500万ポンドに500万ポンドのボーナスを加えた総額6000万ポンドに達する。守備陣の世代交代を模索してきたリバプールにとって、このフランス人センターバックの確保は、未来を見据えた補強となった。
そして何より痛快なのは、宿敵マンチェスター・ユナイテッドが土壇場で仕掛けた強奪工作を、完璧なスピード感で封じ込めた点にある。今回の移籍劇が極めてドラマチックな展開を見せたのは、日曜日の深夜だった。
独『BILD』のジャーナリストであるフロリアン・プレッテンベルク氏が伝えたところによれば、マンチェスター・ユナイテッドはリバプールとレンヌの合意を台無しにするため、最後の瞬間まで横槍を入れようと画策していた。
しかし、リバプールのスポーツ部門による周到な準備が、その悪あがきを無慈悲に粉砕。リバプールは週末を通じてフランス側との協議を詰め、マンチェスター・ユナイテッドが具体的なオファーを提示する前に、選手本人からリバプール加入の確約を取り付けていた。
移籍金総額6000万ポンドという数字は、20歳という年齢を考えれば巨額に見えるかもしれない。しかし、現在の移籍市場の相場とポテンシャルを照らし合わせれば、妥当な投資判断だと信じて疑わない。
2025/26シーズンのリーグアンにおいて、ジャケが見せているパフォーマンスは異次元の域に達している。190センチを超える長身を誇りながら、地上戦でのスピード勝負でも一切の引けを取らない。さらに特筆すべきは、最後方から繰り出される精度の高いフィード。
リバプールの戦術において、センターバックはただ守るだけでなく、攻撃の第一手となるパスを供給する役割が求められる。データ上でもパス成功率は90パーセントを超え、守備面でのインターセプト数でもリーグ屈指の数字を叩き出している。
マンチェスター・ユナイテッドだけがライバルではなく、ロンドンの雄、チェルシーも今月の初頭からレンヌに対して熱心なアプローチを続けていた。チェルシーは即戦力としての冬の移籍を打診していたが、スタッド・レンヌ側がシーズン途中の放出を断固として拒否。
この膠着状態を見逃さなかったのがリバプール。彼らは強引に今すぐ引き抜くのではなく、選手の成長と現所属クラブの事情を尊重し、夏からの合流という現実的なプランを提示した。結果として、チェルシーではなくリバプールという選択肢を選び取った。
とはいえ、リバプールの最終ラインは不透明な状況は続く。イブラヒマ・コナテの契約更新の行方に加えて、ジョー・ゴメスのイタリア行きも取り沙汰されており、フィルジル・ファンダイクの年齢上昇も相まって、センターバック陣は再構築の時期を迎えている。
まだまだ先の話にはなるが、20歳のフランス人センターバックはアンフィールドで、ファンダイクの後釜を担うにふさわしいだけのパフォーマンスを披露できるのだろうか…?
