アルネ・スロット新体制に移って、丸2年が経とうとしている中、33歳という年齢を感じさせない反射神経と、相手アタッカーの選択肢を奪い去る冷徹なポジショニングで、ブラジル代表GKアリソン・ベッカーが守護神として君臨して続けている。
最後方から一本のパスで攻撃のスイッチを入れるシーンは数多く、全盛期のモハメド・サラーへのロングフィードは芸術の域に達している。今シーズンも先発の座を掴んでおり、その状況に悶々としているのが、控えGKギオルギ・ママルダシュビリだ。
2年前の夏にバレンシアからリバプール移籍を内定させ、昨夏の移籍市場でローンバックという形でアンフィールドに降り立ったものの、今季は11試合にしか出場できておらず、25歳という年齢からすれば希望するプレー時間を得ているとは言い難い。
圧倒的なサイズを活かしたシュートストップ能力こそ世界トップレベルだが、総合力ではアリソンに遠く及ばない。序列を覆すことが難しく、さらに新たなGKへの関心も報じられる中、海外メディア『TEAMtalk』は出場機会の確保に向けて、ジョージア代表GKがローン移籍を検討し始めていると伝えた。
ママルダシュビリは現在のリバプールにおけるバックアップとしての役割に、深刻なほどの不満を募らせている。ただし、クラブ側も才能を高く評価しており、長期的なスパンでの正守護神候補であるという姿勢に変わりはない。
現時点での序列を維持することと選手のモチベーションを管理することの間で、極めて難しい舵取りを迫られている。アンフィールドの首脳陣は、彼の懸念を理解しつつも、適切な条件が整った場合にのみ一時的な放出を検討するという慎重な立場を崩していない。
25歳というゴールキーパーとして最も成長し、経験を積むべき時期に控えとして過ごすことは、選手にとってキャリアの停滞に直結する。バレンシア時代、スペインの厳しい舞台で毎週のようにスーパーセーブを連発し、個の力で勝ち点を拾い上げてきた自負があり、プロフェッショナルとしての健全な本能とも言える。
とはいえ、バレンシアやジョージア代表では多くのシュートをエリア内でストップことが多く、チーム的にもボール保持するようなチームでのプレーに馴染むには時間かかる。どれほど足元の技術や飛び出しなどが改善する余地があるのかは未知数だが、前任者のクィービーン・ケレハーに比べると劣る印象も拭えない。
もしもリバプールが別のゴールキーパーを確保できればレンタル移籍も視野に入るが、現時点ではアンフィールドを離れる未来は描きにくい。来シーズンがレギュラーになるチャンスが与えられるか、それともベンチに座り続けるのかは不明だが、マージーサイドでの戦いは続くことになるだろう…
