今夏のリバプールは、モハメド・サラーの後継者や中盤だけでなく最終ラインの再整備にも目を向ける必要がある。センターバックと右サイドの両方で計算できる人材を確保できれば、過密日程への対応力は一段と増す。
フィルジル・ファンダイクの年齢やイブラヒマ・コナテの契約問題、ジョー・ゴメスのイタリア行きの噂に加えて、右サイドバックのコナー・ブラッドリーやジェレミー・フリンポンは負傷が多く、後者についてはウィングバックやウィンガーが理想的なポジションと言える。
そうした状況において、リバプールの補強リストに名前が浮上したのが、ユベントスで今季の存在感を高めている25歳DFピエール・カルルだ。
イタリアメディア『La Gazzetta dello Sport』によれば、今シーズンの高水準な働きはプレミアリーグでも見過ごされておらず、リバプールとマンチェスター・ユナイテッドが夏の移籍市場でユベントスを揺さぶる可能性があるようだ。現時点で正式オファーや交渉進展まで伝えられているわけではないとも付け加えている。
カルルの魅力は、まず守備者としての処理速度にある。対人で引かず、前に出る判断も遅れにくい。足元の技術も水準以上で、最終ラインから無理なく前進の起点になれるタイプ。センターバックを主戦場にしながら右サイドもこなせるため、試合展開や相手の配置に応じて役割をずらせるのは大きい。
一方で、リバプール向きかと問われれば、適性はかなり高い部類に入る。高い位置を保ちながら守るチームでは、後方の選手に機動力と判断の速さが求められる。加えて、右のレーンに流れてボールを逃がせるため、ビルドアップ時の詰まりを減らせる可能性もある。純粋な主力候補としてだけでなく、複数ポジションを埋める戦術要員として見ても価値は小さくない。
リバプールにとって、守備陣は質の高い駒を抱えていても、シーズンを通してみれば稼働率と組み合わせの問題がつきまとう。センターバックの枚数だけを数える補強ではなく、右サイドとの兼用が利く選手を取れれば、ベンチ構成まで含めて柔軟性が増す。
ただし、実現にはいくつか壁もある。ユベントスが今季の働きを受けて簡単に手放すとは考えにくく、移籍金は決して軽くならないだろう。加えて、ユナイテッドも絡むのであれば、条件面の競争は避けられない。
さらに言えば、カルルは派手な数字を残すタイプではないため、投資額に対してどこまで即効性を見込むのかという論点も出てくる。守備の便利屋として終わるのか、守備陣の軸へ育つのかで評価は大きく変わる。
19歳のイタリア人DFジョヴァンニ・レオーニや20歳のフランス人DFジェレミー・ジャケらを中心として最終ライン構築を狙うリバプールにおいて、25歳のリヨン出身ディフェンダーが、これまでゴメスが担ってきたようなユーティリティプレーヤーとしてアンフィールドで活躍する未来はあるのだろうか…?
