EURO2020では前評判ほどの成績が残せなかったオランダ代表。ディフェンスリーダー不在の影響に加えて、チェコ代表が堅実な試合運びでオランダFW陣を徹底マーク。エースのメンフィス・デパイやジョルジニオ・ワイナルドゥムらが攻撃で力を発揮できずに敗退が決まった。
落胆の結果に終わったオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムは、昨季限りでリバプールを退団し、パリに新天地を求めた。負傷者続出のシーズンにもかかわらず、プレミアリーグ全試合に出場した鉄人を失ったチームは後継者探しを加速させている。
イヴ・ビスマ(ブライトン)やユーリ・ティーレマンス(レスター・シティ)、フロリアン・ノイハウスノイハウス(ボルシアMG)らが盛んに移籍報道を賑わせている。最近ではサウール・ニゲス(アトレティコ・マドリード)やジョン・マッギン(アストン・ビラ)なども候補に挙がり、後釜の話題には事欠かない。
そんななかで、ファンたちの間で急浮上した選手がポルトガル代表MFレナト・サンチェス。前回大会でも活躍した逸材は、EURO2020でも印象的なパフォーマンスを披露。強靭な肉体でフィジカルで負けず、前線に運ぶ推進力は目を見張る。ピッチ全体をカバーできる運動量に、ボール奪取やパス能力も魅力的だ。
豊富な資金力でリーグ・アンを支配してきたパリ・サンジェルマンの猛追を抑え、フランス王者に輝いたリールOSC。途中、筋肉系の負傷で離脱した期間もあったが、ポルトガル代表MFは主軸としてチームの栄冠に大きく貢献した。
ヨーロッパリーグなども含め29試合1ゴール4アシストを記録しており、バイエルン・ミュンヘンでの不遇の時代に終止符を打ち、キャリアを取り戻した。かつて神童とまで言われた中盤のダイナモは代表戦でも実力を証明し続けている。
ボール奪取やプレッシングに強みを持つ元バイエルン・ミュンヘンMFは、ワイナルドゥム退団で失った最たるものを補って余りある。ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーら激しいプレスを行える選手たちが年齢を重ねており、世代交代の時期が迫っている。
紆余曲折があったものの、いまだ23歳のミッドフィルダーは年齢的にも好ましい。チアゴ・アルカンタラやカーティス・ジョーンズ、ナビ・ケイタ、アレックス・オックスレイド=チェンバレンと攻撃的なミッドフィルダーは多く在籍しており、やはり守備面で強さを発揮できる選手を狙いたい。
懸念点がない訳でもない。一時期スウォンジー・シティにレンタルしたMFレナト・サンチェスは、プレミアリーグで12試合出場したものの、プレーぶりはイマイチ。イングランドに適応できるかどうか疑問を残すが、不調のバイエルン時代での出来事だけに現在とは状況が異なる。
RBライプツィヒからフランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテを獲得し、さらにミッドフィルダーとフォワードが2名加入が予想されるリバプール。クラブが誇る『移籍委員会』はどのような決断を下すのか。プレミアリーグ奪還を目指す来シーズンの陣容には注目せざるを得ない…