2018/19シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝で、バルセロナ相手に劇的な決勝点を叩き込んだ元ベルギー代表FWは、続く決勝戦でも試合を決める2得点目を奪い、一気にヒーローへと躍り出た。翌シーズンにはさらなる活躍を期待させる決定力で、サポーターを歓喜に巻き込んだ。
2019/20シーズンはフロントスリーのバックアップという立場で、42試合6ゴール4アシストと途中出場が多い中でまずまずの成績を残した。しかし、プレミアリーグを代表するフォワード陣の控えとして物足りず、昨年の夏にはポルトガル代表ディオゴ・ジョッタの加入で万事休す。
出場機会はぐっと減り17試合の出番に留まり、出場時間数はわずか536分。この夏には売却候補の筆頭に数えられるほどに。クラブは放出に前のめりだが、買取先が見つかっておらず、交渉は難航している。
ジャーナリストであるEkrem Konur氏によると、同じくプレミアリーグに在籍するウルヴァーハンプトン・ワンダラーズが1000万ポンド(約14億円)で獲得オファーを提示したと報じている。ただし、リバプールは2000万ポンド(約28億円)の移籍金を要求しており、評価額には大きな開きが生じている。
🚨#Wolverhampton have made a £ 10m bid for #DivockOrigi to #Liverpool.
— Ekrem KONUR (@Ekremkonur) August 3, 2021
💰#Liverpool are demanding £ 20m.#WWFC | #Wolves | #RedTogether | #LFC pic.twitter.com/BV2eeouOrK
プレミアリーグやチャンピオンズリーグでの経験値、26歳という年齢、フォワードとしての能力…総合的に判断しても約28億円は決して高額とは言い切れない。新型コロナによる財政悪化に苦しむクラブが多い中にあっても、法外な価格設定ではない。
逆に、ウルブズが提示したとされる約14億円は格安すぎる。エースであるメキシコ代表FWラウール・ヒメネスが長期離脱から復帰している。さらには、バルセロナからFWフランシスコ・トリンコンをレンタルしており、昨年加入した逸材ファビオ・シルヴァも健在。
若手も多い前線で、バックアップを務めることが予想されるディボク・オリギは決して必要不可欠な存在ではない。そうした背景もあり、わずか約14億円でのオファーに踏み切ったと思われる。
今後ウルブズが交渉を継続するか、またリバプールが移籍金の値引きに応じるかは定かではない。しかし、リバプールは前線の強化を望んでおり、獲得資金集めに躍起だ。また、新たにフォワードが加わるとなると、元ベルギー代表はさらなる苦境に追い込まれる。
選手のキャリアを考えると、最低でもローン移籍で定期的にプレーできるクラブを求めるべきだろう。はたして、ディボク・オリギはチームを離れることになるか…去就には注目が集まる。