ブラジル・サントスでセンターフォワードとして活躍するFWカイオ・ジョルジ。クラブ通算80試合17ゴール4アシストを記録する若干19歳の逸材は、ブラジルU-17代表にも選出されるほど国内でも評価されている。
かねてからACミランやユベントス、リバプール、トッテナムと錚々たる欧州のビッグクラブが触手を伸ばしており、未来を担うフォワードの去就は注目の的であった。そんな熾烈な獲得レースを制したのは、セリエA奪還を目指すユベントス。移籍金は250万ポンド(約3.5億円)で、契約期間は5年間。
契約満了が今年12月と迫っていたこともあり、移籍金は非常に小額。条件達成によっては追加での支払いが発生する可能性があるが、能力と期待よりもお買い得に獲得できた今回の移籍は、トリノに本拠地を置くクラブは成功したと言って過言ではない。
半年間待てばフリーで手に入る可能性があったが、ライバルは増えていたと容易に想定でき、今よりも激しい争奪戦が展開されていたことだろう。新天地ですでにインタビューに答える姿は初々しく、華々しいイタリアデビューが待ち受けるはずだ。
恵まれた体躯に加えて、軸がブレないボディバランス。ブラジル人らしいテクニックも兼ね備える同選手は、リバプールで活躍するブラジル代表FWロベルト・フィルミーノやインテル・ミラノ所属FWラウタロ・マルティネスと比較される。
リバプールでは特殊な役割をこなすブラジル代表FWの後釜探しは長年の課題。ディボク・オリギや南野拓実は後継者テストに失敗し、現状ではディオゴ・ジョッタのみがバックアップとして控える。ただし、ポルトガル代表はタイプが異なり、左ウイングでの起用の方がより強みを発揮できる。
プレミアリーグの特徴とも言える屈強なセンターバックを背負えるだけのフィジカルを有してる必要性があり、ジョッタですら物足りなさを感じてしまう。いつもとは違った攻撃を仕掛けるという意味合いで、さらにゴールを決められるポルトガル代表FWは貴重な存在であることは間違いない。
その点、ユベントスFWカイオ・ジョルジは多少の当たりでは物ともせず、足下に収めてから周りにも展開できる。高い位置で攻撃のタクトを振るうだけの能力を持っており、まさに『フィルミーノ・ロール』には打ってつけの人材だった。
今回はターゲットを逃してしまったリバプールだが、後釜を探し続けるのか、もしくは別の攻撃パターンで常勝軍団を維持していくのか?
ユルゲン・クロップ監督含めた首脳陣の判断には着目したい…