2016年の夏にマインツからリバプールに加入した元ドイツU-21代表GKロリス・カリウス。当時の正GKシモン・ミニュレとポジション争いを繰り広げ、元ベルギー代表GKのパフォーマンスが安定していなかったこともあり、徐々に出場機会を得るように。
2017-18チャンピオンズリーグ決勝戦に進出したリバプールのゴールマウスを任された元マインツGK。モハメド・サラーがセルヒオ・ラモスに危険なプレーで負傷させられるアクシデントがあったものの、リバプールGKのミスが敗戦に追い込んだことは間違いない。
まずは、何気ないスローイングはレアル・マドリードFWカリム・ベンゼマにカットされ失点を喫すると、3点目もまずいセービングで勝利を確定させるゴールを奪われてしまった。セルヒオ・ラモスへの攻撃とともに、戦犯に挙げられた元ドイツU-21代表GKは一気に調子を崩してしまう。
精神的なプレッシャーが原因と思われるが、ブラジル代表GKアリソン・ベッカーの加入もあり、アンフィールドでの居場所を失い、トルコへレンタル移籍。それなりに試合で出番を得ていたが、財政面での問題でリバプール復帰。昨シーズンには、母国ウニオン・ベルリンに1年間のローン移籍。
今季はプレシーズンからキャンプに参加した同選手だが、クイヴィン・ケラハーやアドリアンに序列で負けている。ケラハーが負傷し、アドリアンが久しぶりに出場となったカラバオ・カップでも若手GK陣がベンチに座り、ロリス・カリウスに未来がないことが明らかになっていた。
2022年6月には契約切れとなり、来年夏にはフリートランスファーで他のクラブ移籍可能。ただし、半年間もベンチ入りすらできない状態を憂慮したユルゲン・クロップ監督は同郷のゴールキーパーに対して、6ヶ月前倒しして、来年1月にも契約解除に踏み切る可能性が出てきたと、『The Mirror』が報じている。
今夏にもリバプールは移籍先を必死で探していたものの、選手本人がバーゼル(スイス)への移籍を拒否。結果としてイングランドに留まり、数少ないチャンスを得るために日々トレーニングに励んでいた。
ただし、コーチ陣からの信頼は失墜しており、どうあがいても序列が上がることはない。すぐにでも所属クラブを変える必要があり、リバプールもほとんど移籍金を期待できないだけに、双方合意での契約解除も合理的な判断と言える。
最近のプレーぶりや出場機会の少なさを考えると、新天地がすぐに見つかるかどうかは分からない。リーグのレベルは置いておいて、レギュラーとしてゴールマウスを守る姿をふたたび拝みたい…