2011年にアトレティコ・マドリードから新生マンチェスター・シティに加入して以来、2021年6月末まで契約を全うしたアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ。豊富な資金力で台頭したクラブで、まさにエースの役割を担い、ゴール数だけではなく、貴重なゴールを連発した。
プレミアリーグでは390試合260ゴール73アシストと見事すぎる数字を残しており、クラブ歴代最多ゴール数を有している。重心の低いドリブルで、屈強なディフェンダー陣にも当たり負けせずに、脅威的な得点感覚で相手ディフェンス陣に悪夢を与え続けた。
アルゼンチン代表では、101試合41ゴールと代表戦でも鋭いゴールセンスは健在。盟友リオネル・メッシとは、2008年の北京オリンピックでは金メダルを獲得。プレイベートでは母国の英雄ディエゴ・マラドーナの愛娘と2008年に結婚し、2012年に離婚と短い結婚生活を送った。
マンチェスター・シティの象徴とも言える同選手だが、なにかとリバプールと関係が報じられた。子供の頃は、マイケル・オーウェンがアイドルだったと告白しており、リバプールを応援していた。アトレティコ・マドリード時代には盛んにレッズ移籍が取り沙汰されていた。
昔からのサポーターだからか、アンフィールドでは全くゴールが奪えずに、イングランドに別れを告げ、バルセロナ移籍を選択した。直接対決はプレミアリーグで20試合を数え、ホーム戦は10試合で7得点を奪っているだけに、アンフィールドでプレーした際のゴール前での弱さは説明できない。
現在リバプールを率い、昨シーズンまで数年間にわたり、所属したクラブと熾烈な優勝争いを繰り広げたユルゲン・クロップ監督は、不整脈による現役引退を余儀なくされた元アルゼンチン代表FWの実力を絶賛し、不本意なリタイアに同情する気持ちを吐露している。
「本当に同情するよ。」
「彼は素晴らしいキャリアを歩んできたし、それを振り返る時が来るだろう。33歳にもなれば、他の人たちも引退する年齢だが、引退の理由は別にある。」
「しかし、今の彼にとっては、ショックしかない。このようなニュースを発表しなければならないのは、自分自身が最初にその知らせを受けたときと同じようなものだ。」
「彼がプレミアリーグに与えた影響、サッカー界に与えた影響は、信じられないほどのものだった。」
「ペップが就任する前からずっとシティで、ゴールを決め続け、奪ったゴール重要性たるや…」
「私がここに来て、彼らと対戦したとき、たとえリバプールに対してあまり得点していないときでも、重要な得点を決めていたのを覚えている。」
「素晴らしい選手だよ。人間性は知らないけど、プレーヤーとしては、今まで対戦した中で最高の一人だと言えるね。」
稀代のストライカーであり、確実に歴史を名前を刻んだプレーヤー。今後はどのようなキャリアを歩むか分からないものの、これまでの功績をバックグラウンドに、勝手ながらもサッカーに関わるような仕事を期待してしまう…