地元マルメで頭角を表したズラタン・イブラヒモビッチは、若かりし頃からアヤックスやユベントス、インテル・ミラノ、バルセロナと名だたる名門クラブを渡り歩いた。
2010年からはACミランで2シーズンを過ごし、PSGやマンチェスター・ユナイテッド、ロサンゼルス・ギャラクシーを経由して、2020年の冬に古巣ACミランに再加入。若手中心のチームの中で、異質な存在感を見せるベテランFWは、攻撃陣だけではなく、チーム全体を牽引する。
昨シーズンには、イブラヒモビッチが欠場している期間で成績が芳しくなるなど、その価値を改めて感じさせた。今季は40歳の大台にのりながらも、パフォーマンスと存在感は増すばかり。セリエAでは11試合7ゴールと、いまだに現役バリバリだ。
チャンピオンズリーグでは “死の組” グループBに所属したACミランは、リバプールやアトレティコ・マドリードら強豪と対戦。最終節はホームでのリバプール戦だったものの、勝利を手に入れられずに、リバプールは6連勝を飾り、イングランド・サッカー界に名を刻んだ。
そんなアウェーチームは、1位突破を決めていた関係もあり、若手MFタイラー・モートンを試すなどバックアップメンバー中心で試合に臨んだ。今夏の移籍市場でRBライプツィヒから加入したDFイブラヒマ・コナテは先発に名前を連ね、経験豊富なストライカーへの対応が求められた。
ナサニエル・フィリップスと組んだ最終ラインは相手エースを徹底マークし、試合中は集中力を切らさずに自由を与えなかった。イタリアで見事なディフェンスを見せたフランスU-21代表DFには、対戦したズラタン・イブラヒモビッチも実力を認めざるを得ず、温かいメッセージを送った。
「リバプールDF(イブラヒマ・)コナテに、ユニフォーム交換ををお願いしたんだ。」
「彼は地上でも空中でも、僕との戦いにすべて勝った。」
「 “将来、君は偉大なDFになる。僕の言葉をよく覚えておいて!” と彼に伝えた。」
ジョエル・マティプのコンディションが良く、毎試合出ることは叶わないが、ここまで9試合で出番を得ており、少しずつチームやイングランドに順応し始めている若きディフェンダー。ジョー・ゴメスの調子が上がらない中、未来のディフェンスリーダーとして期待が高まる。
数多くのセンターバックと対峙してきたACミランFWをも認めさせる実力と、まだまだ秘めたるポテンシャルはプレミアリーグを代表するセンターバックに成長する可能性を残す。フィルジル・ファンダイクの後釜は、コナテに決まりかもしれない…