ロンドンを中心に、オミクロン株含む新型コロナが再拡大しているイギリス。ヨーロッパ諸国でも感染が蔓延しており、感染者数は日々増加の一途を辿っている。収まる気配の状況において、オランダではロックダウンが実施され、ロンドンは独自に「重大事態宣言」を発令している。
予断を許さない事態は、プレミアリーグにも大きな影響を及ぼしている。ロンドンだけでなく、多くのクラブでコロナ感染者が報告されており、延期される試合も増えている。先週だけでも、90人以上の選手やスタッフが感染しており、各クラブから代表者が招集され、スケジュールについて話し合った。
ただし結論は変わらず、そのままスケジュール通りに試合を実施することで決定がなされた。この決断に対して、リバプールでキャプテンを務めるジョーダン・ヘンダーソンは非難の声を上げ、プレーヤーたちの健康が考慮されていない現状を嘆いている。
「実際に目の当たりにしないと、その過酷さは伝わらないと思う。」
「僕らにとってサッカーはすべてだし、ピッチに立つたびに最高レベルのパフォーマンスを発揮したい。でも、残念ながら、この時期にはそれは困難に等しい。」
「過去数年にわたり、このような難しい状態が続いている。そんな中で、新型コロナ対策をしなければ、事態はさらに困難になり、より悪化する。」
「私は誰も選手の健康を真剣に考えていないと、懸念している。」
「サッカー選手としてはプレーしたい。でも、選手の健康について心配しており、誰も十分な議論を実施していないと思う。とくに新型コロナ感染が蔓延している、この時期においてね。」
「私たちは会話を試みているし、少しでも影響を及ぼせればと思っている。しかし、今のところ、選手たちへのリスペクトがなく、誰かが代表して彼ら(リーグ)に向けて、 “選手の健康面を考えると今回の決断は正しくない” と発言することすらできずにいる。」
リバプールもフィルジル・ファンダイクやファビーニョ、カーティス・ジョーンズ、チアゴ・アルカンタラらが感染しており、無症状らしいが試合出場はままならない。
リバプールだけに限らず、ベストメンバーを組むことが難しい。まして、プレミアリーグの年末年始は忙しく、中2~3日間での試合が予定されている。ただでさえ疲れが溜まる日程において、感染してない選手だけに頼らなければならず、負傷の可能性が高まる。
他方、感染後の回復にも時間を要する選手も存在するはずで、このまま無対策ではクラブ内での感染者も爆発する。観客もノーマスクで大声を上げており、スタジアムでの感染も懸念される。
ヘンダーソンが苦言を呈している通り、プレーヤーの健康のみならず、スタッフやサポーターらの健康も考えた上で、再度話し合いの場が設けるべきなのかもしれない…