地元リバプール出身で生粋のスカウサー。9歳でリバプールユースに加入以来、ステップアップを続け、2年前の2018年2月1日に初めてのプロ契約を結んだ。そして昨日、新たに5年契約にサイン。リバプールでの成長を誓う一方、リバプールは期待の若手を留めておくことに成功した。
トップチームデビューは2019年1月まで遡り、FAカップでウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCとの対戦。プレミアリーグデビューまでは時間がかかり、2019年12月8日AFCボーンマス戦でついにプレミアリーグの歴史に名前を刻んだ。残り14分でアンディ・ロバートソンとの交代でピッチに立ち、子供の頃から応援しているクラブにおいてデビューという夢を叶えた。
2019/20シーズンのハイライトは、FAカップ3回戦エバートン戦。南野デビューにも注目が集まった一戦で、控え中心のリバプールは主力で固めたエバートン相手にゴールを奪えない状況が続いた。そんな膠着状態で、ジョーンズのミドルシュートが見事なカーブを描きゴール右上に吸い込まれた。
基本情報
名前:カーティス・ジョーンズ(Curtis Jones)
誕生日:2001年1月30日
出身:イングランド リバプール
ポジション:ミッドフィルダー、左ウイング
経歴:リバプール
テクニカルなドリブルで、チーム全体を繋ぐリンクアップマン
攻撃的なイメージが強いジョーンズの最大の強みはテクニカルなドリブル技術だろう。足に吸い付くようなボール扱いで、相手をいなすようなドリブルを得意としている。曖昧なポジショニングで、相手ディフェンスを掻い潜りパスを受けて、前線へと繋ぐ。時には左ウイングの位置まで駆け上がり、ドリブルを仕掛ける場面もある。
一方で守備陣と攻撃陣のリンクマンとしても機能している。中盤の底まで戻りパスを供給しつつ、前線まで顔を出して攻撃陣をサポートする。自らゴールを狙ったり、決定機を演出する役割も担っている。まだトップチームでチャンスメイクを拝めることは少ないが、ポジションで言えば、ワイナルドゥムやナビ・ケイタが担う役割に似ている。
身体能力には恵まれておらず、線が細い印象は否めない。相手ディフェンスに当たられた場面でのボールロストも散見され、足腰を鍛えたフィジカルに恵まれた選手とも対等に、最低でもボールをキープできる筋力アップは課題だ。プレミアリーグの速さへの慣れも必須で、パスやドリブルの判断スピードをもっと上げたいところ。
スティーブン・ジェラードも認めた逸材
クロップサッカーで絶対的に必要な要素であるプレッシングも器用にこなすカーティス・ジョーンズ。かつてスティーブン・ジェラードがアカデミーの指揮を取っていた際に指導していたプレーヤーで、ジェイミー・キャラガーがかつてジェラードがジョーンズについて語っていた内容を明かしている。
ジェラードは「努力を続けることができれば、トップチームで活躍できる可能性が大いにある。」と旧友のキャラガーに伝えていたそう。
若手指導にも定評があるユルゲン・クロップの存在。ある種の傲慢さを持つジョーンズが謙虚に練習に取り組むことができれば、ポテンシャルを最大限に開花させ、トレント・アレクサンダー=アーノルドの成功に続けるはずだ。
右サイドバック以上に競争が激しい中盤だけに、容易にチャンスは得られないかもしれないが、少ない出場機会で着実に結果を残していきたい。ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーが30歳を超えてきており、次世代の中盤のリーダーとして期待をしつつ、活躍を願っている。