大舞台に燃えるお祭り男で、チャンピオンズリーグ制覇の立役者 – ルイス・ガルシア

スポンサーリンク
ルイス・ガルシア レジェンド

正式名ルイス・ハビエル・ガルシア・サンス(Luis Javier García Sanz)、通称ルイス・ガルシアはまさに記憶に残るプレーヤーで、ここぞという試合にめっぽう強いお祭り男とも呼べる存在であった。

バルセロナ下部組織出身で、テネリフェやバジャドリードなどへのローン移籍を繰り返し、2002年アトレティコ・マドリッドへ完全移籍し活躍した姿を見たバルセロナが、優先交渉権を行使し買い戻す。スタメンを掴み取るには至らず、テネリフェ時代に指導を受けていたラファ・ベニテスが就任したばかりのリバプールに同郷シャビ・アロンソと共に加入する。

基本情報

名前:ルイス・ハビエル・ガルシア・サンス(Luis Javier García Sanz)

誕生日:1978年6月24日

出身:オーストラリア スミスフィールド

ポジション:右ウイング

経歴:バルセロナ → (ローン移籍4回)→ アトレティコ・マドリッド → バルセロナ → リバプール → アトレティコ・マドリッド  → ラシン → パナシナイコス → プエブラ → クラブ・ウニベルシダ・ナシオナル → アトレティコ・コルカタ → セントラルコースト・マリナーズ

リバプールにおける成績

04/05 – 06/07  試合数:121|出場時間:8,146分|ゴール:30|アシスト:3

加入後スタメンに名を連ねると、2004年8月29日にリーグ戦デビュー。2004年9月11日に行われたウエストブロム戦でリーグ初ゴールを奪う。プレミアリーグには不向きとも思える細身の身体で、激しいタックルやフィジカル勝負では圧倒的に不利。そんな逆境を押し退けたのが、流麗で相手をさらりと交わす技術と大舞台での得点力が、約3年間の在籍にも関わらず、ルイス・ガルシアをアンフィールドのアイドルへと押し上げた。

リーグ戦とヨーロッパの大会で着実にゴールを量産。特にヨーロッパには強く、印象的なゴールも数多く残している。中でも、強烈に記憶に残っている2つのゴールをご紹介。

①チャンピオンズリーグ準々決勝 ユベントス戦 1stレグ

決勝トーナメント1回戦でバイヤー・レバークーゼンに圧勝したリバプールは、準々決勝でイタリアの強豪・ユベントスと対戦。当時のユベントスは、ブッフォンやカンナバーロが守備を引き締め、イブラヒモビッチやデル・ピエロ、パベル・ネドベドが攻撃を牽引するタレント軍団。下馬評は明らかにユベントス有利で、リーグ戦で苦戦するリバプールにとっては厄介すぎる相手であった。

アンフィールドでの第1戦。コーナーキックからサミ・ヒーピアのゴールで幸先よく先制すると、24分圧巻のゴールが生まれる。アンソニー・ル・タレクから曖昧なパスを受けたルイス・ガルシアは、ペナルティーエリアからだいぶ離れたところから、左足を思いっきり振り切る。ドライブがかかったシュートは、ブッフォンの頭上を見事に超え、アンフィールドは歓喜の渦に包み込まれた。

ル・タレクはおそらくミラン・バロシュを狙ったのだろう。だが、バロシュの頭上を超えて微妙な場所に通されたパスに、本来ボール奪取に優れたエメルソンの反応が遅れ、邪魔されることなく、シュートを放つことができたことは事実であり、入団初年度でこれほどないまでのインパクトを残した。

②チャンピオンズリーグ準決勝 チェルシー戦 2ndレグ

この年のルイス・ガルシアは立て続けに記憶に残るゴールを決めた。ユベントスに勝利し、続くプレミアリーグ同士での対決。1stレグをドローで終え、本拠地で臨む2ndレグ。議論を醸し出した貴重なゴールをルイス・ガルシアが奪う。

ロシアからの石油マネーで、各チームの主力を引き抜き、頑丈な守備陣と独力でゴールを決められる攻撃陣を武器に黄金期を謳歌するチェルシーに対して怯むことなく、試合開始早々から攻め込む。

スティーブン・ジェラードの見事なパスに抜け出したバロシュがチェルシーGKチェフに倒されるが、笛はならず。ペナルティエリア内で転々とするボールにいち早く反応したルイス・ガルシアが蹴り込む。ブロックしたテリーに当たりボールは勢いをなくしながらも、ゴールに向かっていく。

ゴールラインぎりぎりでガラスが蹴りだしかに見えたが、ゴールが認められ、リバプールが先んじて得点を奪う。ゴールラインテクノロジーが導入されていれば取り消されている可能性は高い。運良く奪取した1点を、チェルシーの猛攻からなんとか守り切り、ラファ・ベニテス就任初年度で、チャンピオンズリーグ決勝に駒を進める。この年の決勝戦こそ、ドラマチックな逆転劇を演じたイスタンブールの奇跡であり、最高の決勝戦との呼び声も高い。

加入1年目に大活躍した印象が強いルイス・ガルシアだが、その後も着実にスタメンで試合に出場している。順風満帆なリバプール生活は突如として、2006/07シーズンを最後に終了する。まず、アーセナルとのカップ戦で完治まで半年間を要する大ケガを負ってしまう。この時点で、シーズン終了を迎えたルイス・ガルシアに移籍の噂が賑わいをみせる。

理由は、当時アトレティコ・マドリッドに所属し、神の子と謳われたフェルナンド・トーレスのリバプールへの移籍報道。ベニテスが獲得を熱望するエース候補であり、トーレスもリバプール移籍を熱望しており、相思相愛。とはいえ、移籍金は高額。少しでも移籍金を抑えたいリバプールは交渉条件に移籍金に加えて、ルイス・ガルシアを含んだ。

元々アトレティコにも在籍経験のあるルイス・ガルシアであり、順調に交渉はまとまり、トーレスがリバプールにやってくる代わりに、ルイス・ガルシアはアトレティコに加入した。その後は目覚ましい活躍を見せることなく、複数クラブを転々とし、2016年に現役から退いた。

引退後は、リバプールOBとしてイベントに精力的に参加し、リバプールアンバサダーとして様々な国々を廻り、リバプールの広報活動に尽力。解説者としても数多くのテレビ番組出演するなど、タレント業務にも勤しんでいる。

どうしても近況が気になる。そんな方には、頻繁に更新しているルイス・ガルシア公式ツイッターをフォローしよう。

タイトルとURLをコピーしました