チェルシーとのカラバオカップ決勝を戦い抜いたリバプールは、ゴールキーパーまで回ったPK戦を制して、カラバオカップ優勝トロフィーを掲げた。ジョエル・マティプのゴールが取り消しになり、サディオ・マネも決定機を外す…試合は無失点が続くのがおかしなほどに両チームとも得点を奪えるチャンスがあった。
試合開始早々には、チェルシーがカウンターからクリスチャン・プリシッチが決定機を迎えるも、リバプールGKクィービーン・ケレハーが見事なセーブで先制点を許さない。その後も一進一退の攻防を繰り広げ、メイソン・マウントもオフサイドトラップを掻い潜り、フリーでボールを受けたものの、シュートは枠外に。
総力戦となったカラバオカップ決勝戦は、延長でも決着が付かずにPK戦へ。チェルシーはPK職人ケパ・アリサバラガを投入し、万全の体制でPKに臨む。早めに決着が着くかにも思われたが、PK戦ではゴールキーパーに回るまで、全員がゴールを決める展開。
最後には、リバプールGKケレハーがゴール左上に圧巻のシュートを沈めると、後攻チェルシーGKケパはゴール枠上に蹴ってしまい勝負あり。まだ4冠を狙えるクラブは、はじめの一歩となるカラバオカップのタイトルを獲得した。
PK戦ではセーブこそできなかったが、ゴールキーパーとは思えない鋭いシュートを叩き込んだ姿は印象的。クラブNo.01GKアリソン・ベッカーではなく、先発の座を射止めたアイルランド代表GKは歓喜の瞬間を迎え、興奮冷めやらない中でインタビューに答えている。
カラバオカップの優勝メダルを首にかけ、シュートアウトで優勝を決定づけるPKを決めたわけですが、どんなお気持ちでしょうか?
「ひとことで言うのは難しい。ウェンブリーでファンのみんなと一緒に優勝できたことは、最高の気分だよ。特別なことだね。」
シュートアウトでセーブがなかったとおっしゃっていましたが、それはGKの人生にはつきものなのでしょうか?
「誰かが “君が勝利に繋がるPKを決めたんだ!” と言ってくれたんだけど、そのことをあまり気にしていなくて、むしろセーブしたかった。でも、とにかく僕が決めて、勝利することができた。神に感謝するよ。」
昨夜寝るときに、今日の展開について何か夢を見ましたか?
昨夜はいい夢を見たし、勝てると思っていたよ。でも、まさかリバプール側のゴール前でPKを決めて、優勝するとは夢にも思っていなかった。次のレベルに進んで印象を受けている。」
しばらくアイルランドのヒーローがいませんでしたが、あなたがアイルランドの少年たちにふたたび道標を示してくれたようですね?
「素晴らしいですね。アイルランドのファンベースはとても大きく、アイルランド人選手としてアイルランドを代表し、アイルランドのリバプール・ファンのためにも…ほんとに良い気分だよ。」
PKを決めたとき、何をするか決めていたのですか?
「正直に言うと、反対側に行こうと思っていた。駆け上がってきたとき、目の端にケパ(・アリサバラガ)が向こう側に飛び込んでいるのが見えたから、そのまま足を回したんだ。あんなに高く飛ばすつもりはなかったんだけどね。」