ジョエル・マティプが復調し、怪我なくシーズンを過ごす一方、昨夏加入のイブラヒマ・コナテが見事にリバプールにフィット。絶対的センターバックであるフィルジル・ファンダイクは、昨シーズンの大怪我から完全復活し、シーズン開幕からディフェンスラインを統率している。
同じように、昨シーズンに大怪我を負い、オランダ代表ディフェンダーとともにリハビリに励んでいたジョー・ゴメスは対照的なシーズンを送っている。プレシーズンからコンディションが上がらず、センターバック陣の中での序列が4番手となり、ほとんど試合に出ることができていない。
トレント・アレクサンダー=アーノルドが負傷している期間に、右サイドバックとして起用されたものの、やはり本職はセンターバック。今冬に控えるカタールW杯出場を目指す同ディフェンダーは、プレー時間を確保するためにも、今夏での移籍が頻繁に報道されている。
『TuttoMercato』によれば、アストン・ヴィラはリバプールDFジョー・ゴメスをトップターゲットとして定めており、この冬に引き続き今夏の移籍市場で獲得を目指すと伝えている。そして、その後釜に、リバプールはトリノに所属するブラジル人DFグレイソン・ブレーメルに照準を絞っているようだ。
その恵まれた身体能力と守備能力で、トリノでレギュラーの座を掴んでいるブレーメル。2018年から過ごす同クラブで、通算106試合13ゴール5アシストを記録しており、コーナーキックなどでは高い打点で攻撃面でも貢献してきた。
すでに4シーズン目となっている同センターバックは、そろそろステップアップの時期が近づいているかもしれない。25歳と脂が乗り切った年齢だけに、ファンダイクやマティプ、コナテら強力センターバック陣とポジションを争うに十分な能力を兼ね備えている。
他方、ジョー・ゴメスにとっては、元リバプールでチーム状況を熟知するスティーブン・ジェラード監督を筆頭に、かつて共にピッチ立っていたブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョも在籍しており、チームに馴染む環境は整っている。
センターバックコンビのひとりは、イングランド代表でもあるタイロン・ミングスで確定だろうが、その相棒にはジェラード監督も頭を悩ませている。今季は元イングランドU-21代表DFエズリ・コンサがその役割を担っているものの、経験値や能力値の両面でアップグレードとなるジョー・ゴメス獲得は望ましい補強になり得る。
元チャールトンDFの立場は、今後も大幅に改善するとは思えない。負傷者が出てきたとき、または過密日程で実力が離れた相手に起用されるのみで、重要な試合でスタメンに名を連ねるとは考えにくい。
来シーズンは、イブラヒマ・コナテもより一層チームに適応するはずで、ますますその立場が危うくなる可能性すらある。はたして、ジョー・ゴメスがアストン・ヴィラ移籍を果たし、グレイソン・ブレーメルがリバプール加入という移籍の連鎖が起こり得るのだろうか…?