ベンフィカとのチャンピオンズリーグ準々決勝ホーム&アウェイを合計6対4で勝ち抜けたリバプール。インテル戦同様に、アウェイ戦でのゴール差を守り切った形で、決して圧勝とは言えない出来だが、それでも勝ち切れるのが今のリバプールだ。
プレミアリーグではマンチェスター・シティと熾烈な首位争いを繰り広げ、強豪相手との過密日程が続く同クラブだけに、うまくローテーションを回しながら、しっかりと結果を出し続けているあたりが、その強さを表している。
CL準決勝の対戦相手は、ビジャレアル(スペイン)。ラ・リーガでは7位に沈んでいるものの、粒揃いの良質な選手たちに加えて、カップ戦では無類の強さを誇るウナイ・エメリ監督がチームを率いる。アーセナル時代は暗黒期を過ごした同監督だが、母国に戻りかつてのリズムを取り戻している。
スペイン代表DFパウ・トーレスや、リバプールも獲得を狙うと言われているオランダ代表FWアルノー・ダンジュマらが主軸を担うクラブであり、ドイツ最高のチームを下している事実からも決して侮るべき相手ではない。
ユルゲン・クロップ監督もビジャレアルに敬意を払っており、バイエルン・ミュンヘンとの試合は同監督の印象に残るものだったようだ。タフな相手になるであろうと予測した上で、対戦に向けて今後準備を進める意向を示している。
「(バイエルン・ミュンヘンとの)試合は、非常に印象的な勝ち方をしたね。ユベントスやバイエルン・ミュンヘンを蹴散らしたのだから、準決勝に進出するのは当然だろう。時間を与えてくれれば、準備万端になるよ。」
「(試合は)タフになるだろう。まだ分析したわけではないが、彼らは本当に質が高い。世界のサッカー界においてカップ戦で最も成功した監督がいて、自分たちがやっていることを理解している。」
「難しい相手だろうけど、相手からすれば僕らもタフだ。気にすることはない。本当に困難な試合が複数も続くと予想しているよ。」
バイエルン以上にいやらしい相手であるかもしれないビジャレアル。ユベントスやドイツ王者を破って、勢いにも乗っているのは戦いづらそう。ヨーロッパのカップ戦では百戦錬磨のウナイ・エメリも不気味すぎる。
それでも、純粋な実力差で言えば、決勝に進出できる可能性は高い。最近戻ってきた勝負強さを武器に、難しい試合が予想される2戦で勝利を手に入れ、サンクトペテルブルクからパリに変更された決勝の舞台に立っていることを願ってやまない…