プレミアリーグ最終節はまさかの展開の連続となった。なかでも、優勝争いを繰り広げたマンチェスター・シティとリバプールの状況は刻一刻と変化し、情報が追いつかない瞬間が度々訪れた。最終的にはマンチェスター・シティが優勝を果たすわけだが、リバプールも良い形でリーグ戦を締めくくった。
アンフィールドにウルヴァーハンプトン・ワンダラーズを迎えた最終戦は、意外な展開で幕を開けた。この試合に先発したイブラヒマ・コナテが珍しく目測を誤り、抜け出した相手FWラウール・ヒメネスに簡単にクロスを許し、中で待っていたペドロ・ネトにゴールを奪われる苦しい形に。
リバプールの選手たちは、優勝が懸かった一戦だからか、本来のパフォーマンスとはほど遠いプレーを繰り返し、パスミスも目立った。ウルブスが徹底的にハイラインの裏を狙っていたこともあり、中盤でボールを奪い返しきれずに、再三に渡りピンチを迎え、早い段階で2点リードを奪われてもおかしくない展開が続く。
それでも朗報がサポーターの耳に入る。同じくホームでアストン・ヴィラを迎えたマンチェスター・シティが先制点を奪われた。一気に活気付くアンフィールドでは、チアゴ・アルカンタラの意表をつくパスに反応したサディオ・マネがきっちりとゴールを沈め、前半のうちに同点に追いつく。
その後もチャンスがあったリバプールだが、強みの早い攻撃は精細を欠き続け、モハメド・サラーやロベルト・フィルミーノ投入でも変化は訪れなかった。それでも、神様はリバプールを味方する。元リバプールMFフィリペ・コウチーニョのゴールで、アストン・ヴィラがまさかのリードを2点に広げた。
このニュースに盛り上がるアンフィールドだが、試合は膠着状態で、得点が生まれる感じがしない。そんなもどかしい時間が流れると、サッカーの神様はリバプールを見限ったかの如く、マンチェスター・シティに微笑みかけた。
わずか5分間で2点差をひっくり返し、逆転する驚愕の展開。リバプールはその後、84分と89分に立て続けに得点を挙げ、試合にこそ勝利したものの、プレミアリーグ優勝には手が届かなかった。
ユルゲン・クロップ監督もチームを誇りに思っており、カップ戦で3つの決勝に進みながらも、プレミアリーグで勝ち点 “92” を積み重ねたチームを褒め称えている。
「選手たちは素晴らしいシーズンを送り、2021-22年のこれまでの道のりは、本当に並外れたものだった。今日の試合は、選手たちを改めてよく表していたと思う。」
「序盤の失点は、正直言ってショックだった。いつも通りのサッカーができなかった。チアゴ・アルカンタラを早々に交代せざるを得なかったことは、不測の事態だ。でも、それでもまだ道はある。勝ち点 “92点” というのは、これだけの試合数をこなしたのですから、明らかに異常だよ。」
「誇りに思うが、同時に失望もしている。もっと悪いシナリオがあったかもしれない。1点リードしていたのにダメだった場合、もっと悪く感じるかもしれない。」
「でも、それを除けば、決してクールなものではなかった。ただ、完全に予想外だったわけではなく、試合前にいろいろなことが起こることは理解していた。今回のことは忘れたくないし、どのインタビューでも言ってきたし、ここでも言うつもりだ。」
「チャンピオンになったマンチェスター・シティ、ペップ・グアルディオラ、すべてのスタッフ、すべての選手には祝福を述べたい。あと一歩だったが、あと一歩でしかない。そういうものなんだ。」
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今シーズンはプレミアリーグを逃したリバプールだが、来シーズンにはふたたびマンチェスター・シティと激しくもクリーンな優勝争いを繰り広げてくれることだろう…