2011年に若干20歳の若きミッドフィルダーが、イングランド北東部サンダーランドからリバプールに加入した。その才能は評価されていたが、チーム状況があまり芳しくなかった。ケニー・ダルグリッシュが暫定監督を務めた後は、ブレンダン・ロジャーズが就任したものの、メガクラブを率いるには物足りなかった。
スティーブン・ジェラードやルイス・スアレス、フィリペ・コウチーニョらの活躍で優勝争いすることもあったが、成績は安定せず。補強も失敗することも多く、2015年にはボルシア・ドルトムントでチャンピオンズリーグでも経験豊富なユルゲン・クロップ監督に引き継がれた。
就任当初は現在以上にゲーゲンプレスを仕掛ける戦術を採用したクラブにおいて、豊富なスタミナに加えて、ジェラードから引き継いだリーダーシップを武器に試合中どころか、練習中にも手を抜かずにチームメイトを鼓舞し続ける。
ジェラードほどのカリスマ性はないかもしれないが、チャンピオンズリーグやプレミアリーグ、FAカップ、リーグカップなど掲げたトロフィーは数知れない。絶対的なリーダーシップでクラブを引っ張るキャプテンについて、LFC公式サイトとのインタビューで、同僚たちが惜しみない称賛の声を口にしている。
トレント・アレクサンダー=アーノルド
「僕がリスクを冒しすぎれば、もっとシンプルにプレーするべきだ!とすぐに叱ってくれるような関係を築いている。」
「ただ、彼は僕に必要なプレーをするように促してくれる人でもある。僕がどういうタイプの選手なのかを理解し、ピッチの中でも外でもそれを可能にしてくれる。」
「彼の存在なくして、僕のそばにいてくれなければ、僕がこれほど早くステップアップすることはなかったと思う。」
チアゴ・アルカンタラ
「彼は、僕がこれまで一緒にプレーしてきた選手の中で、最高の選手のひとりだ。だから、彼と同じチームにいることを誇りに思うし、一緒にプレーできることが幸せなんだ。」
ディオゴ・ジョッタ
「正直言って、ジョーダン・ヘンダーソンのような選手とピッチを共にしたのは初めてだった。彼はいつも話しかけてくれる。時として、檄を飛ばすこともあるね。」
「フィールドの中で監督としての役割を果たしながら、常に前へ前へと押し出してくれる。彼がすぐそこまで上がってくるからこそ、1秒たりとも休めないよ。」
アリソン・ベッカー
「彼はピッチ全体をよく見ているし、動きも鋭く、チームのために本当に走れる選手なので、とても頼りにしている。後方からのビルドアップを好むチームにおいては、彼のように中盤で常に選択肢を与えてくれる選手が必要なんだ。」
「僕にとっては、ジョーダン・ヘンダーソンはビルドアップのために必要な選手だ。たとえ後ろに人がいても、常にオプションを作るし、それができる男だね。」
「だからこそ、彼を信頼してボールを渡せる。彼が望むことは、何でもできるのんだよ。」