クリス・ワイルダー監督のもと疲れ知らずのサッカーを披露し、プレミアリーグに旋風を起こしたシェフィールド・ユナイテッド。リーグ中断前にはEL(ヨーロッパリーグ)出場権も争える順位を維持していたが、再開後はパフォーマンスが奮わず、最終的には9位フィニッシュ。
今期ブレイクしたディーン・ヘンダーソンがマンチェスター・ユナイテッドに戻るため、完全移籍での獲得を狙うものの、いまやプレミア屈指GKに成長したヘンダーソンだけに、引く手あまた。移籍金が吊り上がる中で、要求される額を提示できるかは不透明。ローン移籍も視野にマンチェスター・ユナイテッドとの交渉に当たることになる。
一方で、攻撃陣の高齢化もまた頭を悩ませる課題。オリヴァー・マクバーニーやビリー・シャープ、デイビッド・マクゴールドリック、リス・ムセ…ワイルダーサッカーを体現するだけの能力を持ったFW陣は戦力的に充分にも映る。しかし、ビリー・シャープとデイビッド・マクゴールドリックはそれぞれ34歳と32歳。フルシーズンをただでさえ体力が必要なシェフィールドサッカーにおいて稼働し続けるのは難しい。
ELがないため、ターンオーバーで乗り切れるかもしれない。ただ負傷などの可能性を考えると、新たなストライカーを求めるのもない話ではない。
シェフィールド・ユナイテッドは攻撃陣に厚みを持たせ、さらなる好成績を収めるため、リアン・ブリュースターのローン移籍を画策している。今シーズン後半戦をスウォンジーで過ごし、チャンピオンシップ20試合10ゴールと好成績を残してブレイク。ティモ・ヴェルナーを逃したリバプールが快速FWを残す可能性も大いにある一方で、プレミアリーグで経験を積ませるためにローン移籍を容認する可能性もまた大いにある。
今後のリバプールの補強状況により、事態は刻々と変化する。噂に出ている通り、ディボク・オリギやシェルダン・シャキリのどちらかが退団となれば、残留の確率は上がる。他方、新たなストライカーもしくはウィンガーを獲得できた場合は、新たなローン移籍が現実味を帯びてくる。
ベンチに座り続けるよりも、出場機会を約束してくれるクラブがあれば、レンタルで経験を積み上げる時期なのかもしれない。そして、プレミアリーグでも確固たる得点力を発揮し、再来年にスタメン候補としてリバプールに舞い戻る。
シンデレラストーリーではあるが、ベンチに入れるかわからない現時点よりも好ましい結果だ。無論、信頼してくれる監督がいるクラブへ移籍し、そこで好印象を残すことが大前提になるのだが…