奇跡のプレミアリーグ優勝を成し遂げた “ミラクル・レスター” の一員として、中盤のみならず、ピッチ全体を支配し、豊富すぎるスタミナと危機察知能力でピンチの芽を摘み続けた小柄なMFエンゴロ・カンテ。
チェルシーにステップアップを果たすと、さらにプレーに磨きがかかり、ボール奪取能力は世界でも1位2位を争うほどに。フランス代表でも常連となると、2018 FIFAワールドカップではスタメンとして、同大会制覇に大きく貢献した。
31歳となったチェルシーMFだが、近年は怪我に悩まされ続けている。今シーズンはハムストリングを痛め、ピッチに立ったのはわずか2試合のみ。昨夏とこの冬で莫大な移籍金を費やした同クラブにおいて、居場所を失う可能性が出てきた。
チェルシーとの契約は今シーズンまでとなっており、契約更新される見込みは低い。そうした状況からか、中盤の負傷者に悩むリバプールからの関心が報じられるなど、フリートランスファーでの退団が現実味を帯びている。
かつてリバプールで活躍したDFスティーブ・ニコルはピークを過ぎた印象も強い守備的ミッドフィルダーの能力を高く評価し、いかなるビッグクラブも獲得して損はないと持論を展開している。
「最高額入札者が彼を手に入れる。確かに、彼は怪我に悩まされていた。」
「もし私が地球上で最高のチームの監督で、彼が手に入る状況であれば、彼と契約したい。サッカーではチャンスを掴むことが重要で、これはその一つだ。」
「彼がフィットしていれば、何をしてくれるかは明らか。紳士的で、経験豊かな勝者を手に入れることができる。彼はすべてを兼ね備えている。世界一素敵な男だ。ドレッシングルームではファンタスティック。すべてを手に入れることができるんだよ。」
「フィットネスの面は懸念だが、賭ける価値はある。もし私がレアル・マドリード、マンチェスター・シティ、リバプール、バルセロナ、バイエルンなど、いわゆるビッグクラブで、もしも彼がフリーなら、私は彼と契約するよ。」
ESPN
今年3月には32歳となる同ミッドフィルダーは、これ以上の成長は見込めず、プレースタイル的にも年齢の影響を受けやすいこともあり、リバプールが実際に獲得に乗り出す可能性は限りなく低い。
ジュード・ベリンガムやモイセス・カイセド、マテウス・ヌネス、メイソン・マウントらを優先にしており、余程のことがない以上は元フランス代表MFがアンフィールドにやってくる世界線は見えない。
他のメガクラブも怪我がちのミッドフィルダーをチームに加えるのはリスクでしかなく、主力以外にもスタメンを張れるミッドフィルダーを抱えていることからも、元リバプールDFが主張するような展開にはならなそうだ。
とはいえ、中盤にエネルギーをもたらす小さなミッドフィルダーは、プレミアリーグやラ・リーガなどトップリーグでまだまだやれるだけの力を備えており、引き続き抜群のボール奪取を見せてもらいたい…