プレミアリーグ開幕節から本来のサッカーが展開できずに、前線や中盤からのプレスが機能せず、それでもハイラインを維持するディフェンスラインを簡単に突かれて、ほとんどの試合で先制点を献上しているリバプール。
フォワードからセンターバックに至るまで怪我人が相次ぐ不運にも見舞われて、施策を試したくても選手がいないジレンマに陥っている。カタールW杯中断期間が明けてからは一層調子を崩している印象も強く、チャンピオンズリーグのみならず、ヨーロッパ大会の出場権が危ぶまれている。
世代交代に失敗し、全盛期を超えた選手たちを重用するユルゲン・クロップ監督の手腕に噛み付いたのは、『beIN SPORTS』などでスポーツ解説者を務めるリチャード・キース氏。ドイツ人指揮官の責任に言及しつつ、チャンピオンズリーグ敗退が退任の合図になるだろうと語っている。
「リバプールの問題は、（マンチェスター・）シティの問題と似て非なるものだ。クロップが試合後の記者会見で、グアルディオラの真似をするのが精一杯のように見えるのは、何とも残念だね。ウルブス戦後、『The Athletic』のジェームズ・ピアース記者を無視したが、以前に書いたことが気に入らないからなのか、あれは何だったのだろう？情けない。」
「監督が報道陣と対立したとき、勝者はただ “ひとり” で、それは監督ではない。私の予想では、クロップは辞任するだろう。今すぐではないが、もしレアル・マドリードにCL（チャンピオンズリーグ）で敗退したら、来シーズンの開幕前に彼はいなくなると思う。リバプールは道を踏み外している。かつての面影はなく、FSG（フェンウェイ・スポーツ・グループ）を責めても仕方がない。この失速はクロップの責任だ。」
「彼は早急に再建を始めなかった。それがファーギー（アレックス・ファーガソン）の最大の強みであり、成功したチームをバラバラにすることだった。リバプールは何を考えてミルナーやヘンダーソン、フィルミーノを残していたのだろう？チアゴはもうベストではない。彼は間違った時期に、間違ったクラブにやって来た間違った選手だった。」
「彼はリバプールのペースを鈍らせる。事実、ミッドフィルダー全体が年を取りすぎているか、十分な能力を備えていない。ロバートソンはベストを尽くしている。来シーズン、誰が指揮を執るにせよ、大きな仕事を任されることになる。クロップがその任に堪えられると思うか？私はそう思わない。」
The Mirror
世代交代に着手する時期が遅かったことは自明であり、クロップ監督も過渡期であると認めている。20代中盤のキャリアで最も良い時期にいる選手たちが少なく、主力組の多くが30歳を超えており、この夏には大幅な若返りが求められそうだ。
ただし、ヨーロッパの大会に出れないとなると、メガクラブに比べて高給を提示できないだけに、選手補強に悪影響をもたらすことは避けられない。そのために、今シーズンもそろそろ調子を上げないといけないわけだが、リバプールはここから巻き返しを図れるのか…？