2015年にリバプール指揮官に就任すると、毎シーズンように適切な補強を実施。世界でも1位や2位を争うほどの強豪クラブに成長させ、プレミアリーグではマンチェスター・シティと異次元の優勝争いを繰り広げた。
しかし、主要選手の世代交代に失敗し、今シーズンはベテラン選手に頼らざるを得ない状況に陥る。ジョーダン・ヘンダーソンは毎試合のようにトップパフォーマンスを見せることは難しく、ファビーニョやジョエル・マティプらの不調は計算外。
加えて、開幕から負傷者が相次いだ不運も重なり、ベストメンバーが組めない中で苦しい戦いを強いられている。複数失点での大敗も多く、ユルゲン・クロップ監督の去就が話題の中心になる機会も少なくない。しかし、オーナー陣はドイツ人指揮官に厚い信頼を寄せており、余程の成績不振がない限りは解任されることはないだろう。
解任するしないは別として、55歳指揮官の後を任させられる人物をリストアップするに越したことはない。パオロ・バルジージャ氏(イタリア人ジャーナリスト)によれば、リバプールはクロップ監督を入れ替える場合に備えて、ナポリを率いるルチアーノ・スパレッティ監督に関心を抱いているようだ。
今シーズンにおいて、セリエAで首位を快走するナポリでの実績を評価しており、現在のクラブ以外にも、インテル・ミラノやASローマ、ゼニト・サンクトペテルブルクらを率いた経験を高く買っているらしい。
しかし、イタリア人指揮官の年齢は63歳と、クロップ監督よりも8歳も年上。数シーズンだけでクラブを渡り歩いており、中長期政権を築くには不向き。さらに、プレミアリーグでの経験がなく、トップチームでの優勝争いも決して多い印象はない。
個人的にはオプションには挙がるだろうが、決して本格的な候補にはならない。狙うべきは、最低でも50歳以下の監督であり、60歳以上の指揮官を招集する可能性はほぼゼロに近い。また、大舞台での経験も豊富とは言えずに、後継者としては物足りない。
現実的な話をすれば、クロップ監督に代わる指揮官を見つけるのは非常に困難なタスク。若くポテンシャルに優れ、中長期政権を築けるだけの能力を持ち合わせ、毎シーズンのようにタイトル争いに食い込み、なにせアンフィールドのエネルギーを高められる人材でなければならない。
理想的には、スティーブン・ジェラードやシャビ・アロンソが経験を積み、舞い戻ってきてくれるのが良い。しかし、それはまだまだ先の話であり、もしも世代交代に失敗した場合にはドイツ人指揮官の解任は免れず、今後数シーズンで後任を見つけ出さなければならなくなる。
クロップ監督が続けてくれることが最善の解決策であることは間違いなく、いますぐにどうこうという話ではない。とはいえ、いずれかは向き合わなければならない課題であり、リバプールに愛された同監督の後継者には注目が集まることは避けられない…