30年ぶりにイングランドの頂点に導き、チャンピオンズリーグ制覇も経験。同大会では3度にわたり決勝まで駒を進め、昨シーズンにはリーグカップとFAカップ優勝を成し遂げたリバプールだが、今シーズンは不調に苦しんでいる。
開幕から全ポジションに怪我人が次から次に発生し、昨季は抜群のパフォーマンスを見せていた主力選手たちも軒並みコンディションを崩した。攻撃陣は得点が取れず、守備陣は毎試合のように先制点を許し、中盤では自慢のゲーゲンプレスが鳴りを潜めた。
最悪期からは抜け出しつつあるリバプールだが、一時期はチームを率いるユルゲン・クロップ監督に限界説が流れるほど。解任説が報じられるも、オーナー陣はドイツ人指揮官を信頼している旨を公表し、ヨーロッパでも屈指のチームに作り替えた手腕に期待を寄せている。
現役時代にはブラックプールで長短のパスで魅了し、2011年にリバプールに加入。一年後にはストーク・シティに放出された元スコットランド代表MFチャーリー・アダムも同監督をバックアップし、古巣クラブでの仕事に適した人物であると強調している。
「ユルゲン(・クロップ)は今でもこの仕事にふさわしい人物だ。彼はワールドクラスの監督で、プレミアリーグで彼を迎えられるのは幸運なことだ。」
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チャンピオンズリーグでのレアル・マドリード戦は別として、直近のプレミアリーグでは5試合連続でクリーンシートを達成。うち4試合では複数得点を記録しており、中盤にも激しさが戻ってきており、チーム全体のパフォーマンスが上り調子。
スペイン王者相手にアウェイの地でひっくり返すことは難しそうだが、プレミアリーグ4位フィニッシュに向けて戦闘体制が整いつつある。
しかし、クロップ監督にとって、来季のCL出場権確保だけが仕事ではない。マインツやドルトムント時代には達成しきれなかった世代交代を成し遂げなければならず、オーナー陣やチーム、サポーターからも信頼の厚いドイツ人指揮官が過渡期を乗り越え、ふたたびタイトル争いに食い込むチームを作り上げてくれると…信じている…