マージーサイド・ダービーでの勝利を皮切りに、5試合連続で得点を許さずに、うち4試合で複数のゴールを奪ったリバプール。シーズン開幕から続いた悪い流れを断ち切り、プレミアリーグ4位に入るために狼煙を上げたかに思えた。
しかし、アンフィールドを離れたアウェイ戦。しかも、下位チームに弱さを露呈する展開は変わっていなかった。対戦時点で国内リーグで最下位だったボーンマスに先制点を許し、そのままダラダラと時間だけが過ぎ、最終的にゴールを取れずに簡単に敗戦を喫した。
チーム全体に動きが悪く、攻撃も単調。守りを固めた相手に苦しむどころか、惜しいシーンもそれほど多くなかった。広げた手に当たり獲得したペナルティも、モハメド・サラーがまさかの失敗。
この敗戦だけではなく、軽い守備が目立つ今季のリバプール。その矛先は、最終ラインを率いるオランダ代表DFフィルジル・ファンダイクに向けられ、元トッテナムDFジェイソン・カンディは “ミスも多く、過大評価されている” と世間の評価とは異なる意見を口にしている。
「個人的には、彼は過大評価されていると思う。フィルジル・ファンダイクが成し遂げたことを、多くのメディアが愛している。彼が素晴らしいセンターバックであることは間違いないが、ミスが多すぎる。」
「気づかれないようなミスの数々。数シーズン前、新型コロナが流行っていた頃のチャンピオンズリーグで、アウェイで許したゴールがあった。そしてまた、彼は気だるい走り方をしていて、時間を稼ごうとしているようでいて、反応していない。」
「それは、反対側にいるにもかかわらず、(ファンダイクがドミニク・ソランケに力負けした時の)お粗末なセンターバックのプレーだ。」
「彼は良い18ヶ月を過ごしてきたと思うし、怪我が影響していることも知っている。でも、今日(ボーンマス戦)のゴールは怪我のせいではなく、力不足のせいなんだ。うまく言えないけど、ダンゴ・ワッタラが中で彼から離れると、足を止めて状況を見誤った。」
TalkSPORT
大怪我や年齢の影響は否定できない。全盛期のような無双ディフェンスは期待できずに、スピードで振り切られるシーンも目立つ。とはいえ、ディフェンスラインをまとめる能力は他の追随を許さずに、リバプールでも屈指のレベルに達している。
センターバック陣の刷新も噂されるリバプールだが、オランダ代表センターバックがアンフィールドを離れることはない。
イブラヒマ・コナテら若手にアドバイスしつつ、38歳ながらもチェルシーでスタメンを張るブラジル代表DFチアゴ・シルバのように、フィジカル勝負ではなく、先を読み相手をいなす守備を極める時期に差し掛かっているのかもしれない…