ユルゲン・クロップ監督が就任して以来、不動の右サイドバックとして君臨し続けてきた生粋の “スカウサー” トレント・アレクサンダー=アーノルド。ディフェンス面の脆さを差し引いても余りある攻撃性能を有し、右足から繰り出されるクロスはプレミアリーグでも随一の精度を誇る。
数々のゴールを演出し、これまで65アシストを記録。逆サイドのアンディ・ロバートソンとともに、超攻撃的なサイドバックはリバプールの代名詞にもなった。しかし、今シーズンは攻撃面の良さよりも、守備面での悪さが目立つ展開が続いている。
今季は3アシストしか挙げられておらず、最大の特徴を出せていないイングランド代表DFはデビュー当時から比べると、一回りどころか二回りも筋肉を付けており、ユニフォームもピッチピチ。ただし、フィジカルトレーニングが同選手の良さを奪っていると、元リバプールMFダニー・マーフィーが指摘。
「先日、ある人から言われたので、もうひとつ簡単な質問を。彼は体重超過で、ジムに通いすぎている。2シーズン前と今シーズンのビデオを見て、そうかもしれないと思ったんだ。」
Vibe with Five
若かりし頃と比較すると、フィジカルバトルでは負けることは少なくなったが、明らかに俊敏性は低下している。他にも、注意力が散漫なシーンも目立ち、一概に筋力アップだけが原因ではない。ジョーダン・ヘンダーソンの衰えも要因のひとつであり、センターバックの不調も影響している。
ただし、筋力増強によるポジティブな側面が見られておらず、多少は筋肉量を減らす作業が必要になるかもしれない。クラブとしては、同選手とポジションを争える人材をすぐに整えたい。
昨年に獲得したスコットランドU-21代表DFカルヴィン・ラムゼイが負傷でシーズンを棒に振っており、ライバルの登場によって、ふたたび熱量を取り戻させる必要もありそうだ。
はたして、来シーズン以降にトランスフォームした効果が出始めるのか…それとも、20歳前半のパフォーマンスを取り戻せないままキャリアが進んでしまうのだろうか…?