2018/19シーズン、ジョー・ゴメスは飛躍の年になる予兆があった。足元に長けるジョエル・マティップやW杯準優勝のロブレンを押しのけ、開幕戦からファン・ダイクのパートナーを務め、順風満帆なシーズンとなる予定だった。
開幕から冬にかけて好調なパフォーマンスを続け、イングランド代表にも常連になりかけた矢先、ケガに見舞われる。もともと怪我がちであったが、不運なタイミングでの負傷。センターバック3番手に甘んじていたマティップがゴメス不在時に絶好調のパフォーマンスでスタメンの座をガッチリと掴み、UCL優勝に大きく貢献した。
今シーズンはポジション奪還が目標であった。だが、クロップの信頼を勝ち取ったマティップの牙城を崩すに至らず、さらにゴメス自身のパフォーマンス低下により、序列ではロブレンに次ぐ4番手となってしまった。
チャンスが巡ってくる
それでも出場機会は巡ってくる。トレント・アレクサンダー=アーノルドを休ませるために、右サイドバックで何度か出場するが、もともと守備型の選手ということもあり、トレント不在を大きく感じさせるプレーに終始。リバプールファンからもバッシングを受けるなど、移籍志願をしたという報道が出るほどだった。
しかし、マティップが長期離脱、ロブレンも12月7日ボーンマスで負傷し、数日後行われたザルツブルグ戦で先発するも、途中交代。つまりは、ゴメスがセンターバックとして出番が巡ってきた瞬間だ。
くすぶっていたのが嘘みたく、持ち前のスピードと前線へのパス、ボールコントロールを発揮し、ザルツブルグの地で途中出場して以来、安定したパフォーマンスを披露。クラブW杯ではファン・ダイクが体調を崩すアクシデントに見舞われ、決勝では少し精彩を欠いていたが、ゴメスがきっちりとカバー。アリソンと共に、MOM級の活躍を見せた。
これで頭を悩ませるのが、クロップである。
マティップが間も無く復帰する予定であり、ロブレンの負傷も重症ではないため、近く復活する。4番手だったゴメスの活躍により、このままゴメスをファン・ダイクのパートナーとして据え置く可能性もある。マティップも負傷前までに戻すまでに時間もかかるはずであり、ロブレンは最近減ったがポカを定期的に行う選手である。
将来のリバプール守備陣の中心となり得るか
ユーティリティ性に優れ、22歳という年齢を考えると、ゴメスに将来のディフェンスリーダーになるための教育を世界No.1ディフェンダーの横で経験させたい。正直な話をすると、マティップとゴメスの定位置争いになるだろう。ロブレンは移籍の噂が再燃するに違いない。
果たしてクロップは戦力が戻った時に、どんな判断を下すのか?個人的には、このままゴメスを使い続けて欲しい。一方で、怪我にだけは細心の注意をコーチ陣に払ってもらいたい。