これまでも度々ニュースに取り上げられているカリドゥ・クリバリのリバプール移籍。ここ数年間は常にナポリからのステップアップが噂されていたが、実現までは至っていない。アウレリオ・デ・ラウレンティスが力を持つナポリだけに、交渉もスムーズには進まない可能性は多く、これまでもオファーはあったはずだが、つっぱねている様子が目に浮かぶ。
フィルジル・ファン・ダイクとアリソン獲得以降、リバプールの守備は劇的に改善された。小さなミスも減り、ファン・ダイクのリーダーシップで守備陣にまとまりが生まれた。若手のゴメスが台頭し、マティップも及第点のプレーを続ける。ロブレンが少し見劣りするが、盤石な選手層と言えそうだ。仮にクリバリ獲得が叶ったら、ひとまずロブレンが移籍し、ファン・ダイクとクリバリという強力すぎるCBコンビが完成される。さらに、ゴメスとマティップが控える、より一層盤石な布陣となる。
報道ではリバプールが76億円にも上るオファーを出し、ナポリに拒否されたとのこと。ナポリの要求額は110億円以上と言われ、先手必勝で動いたが、クリバリを求めるクラブに競争させ、移籍金の高騰を狙っているのだろう。
クリバリはほんとに必要なのか?
誠か嘘か。報道の真意は不確実だが、ファン・ダイクが君臨している中で、高い移籍金を払ってまで、29歳のクリバリを狙う目的はなんだろうか。私には分かりかねる。心情的にワクワクすることは確実だが、クラブ運営や補強方針から見ると事実とは言い難い。
もしロブレン退団に備えてCBを補強するのであれば、ウパメカノ(ライプツィヒ)やザガドゥ(ドルトムント)など20歳前後の選手を狙うだろう。さらに、ゴメスが急成長中であることからも、ゴメスと切磋琢磨し、将来的にはコンビとしてバックラインを支えられる人材の獲得に動くはず。
将来嘱望されるゴメスの出場機会を著しく減らす可能性がある選手の獲得はチームの成長を考えられない。加えると、ティモ・ヴェルナーを逃したように、今夏はコロナ影響で補強にかけられる額が少ない。
つまりは、ロバートソンと争える左サイドバック、マネやサラーと同等のウインガー、守備的MFもできるCMF、クリエイティビティに溢れる攻撃的MFあたりが最優先課題。ここら辺に資金を集中投下する方が現実的であり、合理的である。