プレシーズンで覚醒する南野拓実にかかる大きな期待 – プレミアリーグ2年目に訪れた変化とは!?

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minamino - awakening キャリア

いつもより短い夏休みを過ごし、オーストリアでのプレシーズンキャンプで調整し続けたリバプール。その後、コミュニティシールドではアーセナルに惜敗したものの、ブラックプールとの親善試合では後半に大爆発。7得点を奪って完勝し、新シーズンに弾みをつけた。

残留か放出かの当落線上にいる若手選手を試す一方で、新たなシステムを試みるクロップ監督率いるチーム。そんな中で輝き続け、新シーズンに向けて確かな手応えを得ているのが、南野拓実である。南野が止まらない…まさにそんな状況と言える。

今年1月にRBザルツブルクから加入して以来、リーグ戦やカップ戦で試合出場の機会には恵まれていた。リーグ優勝決定後は、来シーズンに向けてカーティス・ジョーンズやネコ・ウィリアムズを積極的に試せる環境になり、南野もセンターフォワード以外にも、ウインガーでも起用された。

ただ、結果が残せていたわけではない。フロントスリーとの連携がぎこちなく、モハメド・サラーからの絶好機にも枠を外してしまうなど、攻撃的選手として数字がついてこない。徐々にパフォーマンスが良くなっているには確かだが、いまいちフィットしていない状況が昨シーズンの総括だろう。

プレシーズンではその評価が一変している。明らかに動きにキレがあり、チーム戦術への理解も深まっている。さらに、主力組との連携も大きく改善され、欲しいタイミングでボールをもらう回数も増えているように見える。では、なぜにここまで変わることができたのだろうか?

①フォーメーションの変更

クロップ監督が用いる基本的なフォーメーションは、「4-3-3」。中盤はインサイドハーフにジョーダン・ヘンダーソンとジョルジニオ・ワイナルドゥムが幅広いエリアをカバーしつつ、中盤の底で構えるファビーニョが攻撃の芽を狩る。前線はフィルミーノを最前線に、右ウイングにモハメド・サラー、左ウイングにサディオ・マネがプレッシングのスイッチを入れながらも、常に得点機会を伺っている。

フィルミーノの負担軽減のために獲得された南野にとって、加入当初はフィルミーノと同じ役割が求められた。相手CBと対峙しつつ、パスで攻撃のリズムを作り、中盤にも加わり攻撃を活性化させる。ゴールに飢えるサラーとマネを操り、得点を御膳立てする。さらに守備ではコースを切りつつ、ファーストディフェンダーとして機能しないといけない。

本来のストライカーが行う仕事以外に数多くのタスクを抱えるフィルミーノの真似は誰にもできない。これはどの解説者に聞いても同じ回答が帰ってくるはずだ。唯一無二の選手の代わりは務められない…そもそもフィジカルに優れない南野が屈強なセンターバックと対峙するには無理があり、背負ってパスを出せるわけもない。

ウイングとしても試されたが、リバプールのウイングの仕事は点を取ること。試合中はずっとゴールを狙い、ある種のエゴイズムが必須。ゴールも奪えるが、元来ストライカーでない南野にとっては難しい仕事となった。長々と書いたが、つまりは現フォーメーションでは南野が最も得意なトップ下のポジションがないのだ。

プレシーズンからの変化は、モハメド・サラーもしくはロベルト・フィルミーノをトップに配置し、その下で南野を起用している点。慣れ親しんだ「4-3-3」と併用する形で「4-2-1-3」を試しており、これがハマっている。得意なポジションで、水を得た魚の如く周りとの連動性が増した日本代表MFは試合に出るたびに好パフォーマンスを披露している。

主軸は「4-3-3」になるはずだが、試合が硬直しているときや選手を休ませたいときなどは効果的なオプションになる。控え組で臨むのであれば、センターフォワードにディボク・オリギを起用し、その下でプレーする機会も増えるかもしれない。

②連携の強化と戦術理解

フォーメーションの変化は明らかに大きな要因だ。その下支えとなっているのが、周りとの連携の改善と戦術への深い理解。昨シーズン後半からプレシーズンまでで、明確に周りの選手たちの次のプレーを予測しながら動けており、もらいたい位置やタイミングでパスをもらう機会も多くなっている。

内情はわかりかねるが、時間を共に過ごし、チームに溶け込んだのも大きいだろう。信頼関係が築けてきたことで、選手同士の理解も急速に進む。ゴールやアシストでの結果が出なかったとはいえ

守備での献身性は抜群で、かつてレスターで愛された岡崎慎司がそうであったように、攻撃的選手といえど数字だけが信頼を得る方法でないことを証明しているようだ。

ザルツブルク時代にアンフィールドで躍動した頃から、リバプールの選手たちが南野を認めているのは確かであったが、実際に一緒にプレーし、関係値を深めている。

一方で、戦術理解も進んでいる印象を受ける。ポジションに一部のぎこちなさが否めなかった昨シーズンであったが、ここまでのプレシーズンではそれが解消されている。攻撃面では、各選手の特徴を把握しながらも、適切な位置取りが出来ているように思える。

守備においても、パスコースを消す動きにも磨きがかかった印象。そこに持ち前のスピードで攻めよるプレッシングを繰り返す。チーム全体としての役割を理解し、相手がボールを持ったときにはどんなポジションで、どんなアクションをすべきか…クロップが考える戦術が頭で考えるのではなく、体に染み付いてきているように見える。

プレミアリーグ開幕が迫り、調子を上げてきており、非常に頼もしい限り。それでも、プレシーズンの結果は、あくまでプレシーズンでのもの。本番の舞台で輝かなければ意味がない。

リーズ・ユナイテッドとの開幕戦にスタメンで出れるかは不透明だが、ゴールやアシストを記録し、初戦から自信をつけて欲しいところ。プレミアリーグでも活躍できるイメージを持ったまま、チェルシーやアーセナルとの対戦に備えたい。

早めに結果を出すことができれば、自ずとフロントスリーとも争えるだけの存在になれるかもしれない。リバプールサポーターとして、さらには日本人としても南野拓実には期待してしまう。狙うは2桁得点とアシスト…チームの力と南野個人の実力を考えると、十分に達成可能だろう。

クロップ監督のもとで輝き、ドルトムントのヒーローとなった香川真司のように、アンフィールドでのヒーローになれるだけの可能性に満ちている。

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