先週は慌しい移籍市場を過ごしたリバプール。バイエルン・ミュンヘンからチアゴ・アルカンタラを皮切りに、プレミアリーグのライバルであるウルヴァーハンプトン・ワンダラーズからディオゴ・ジョッタと立て続きのスタメンクラスの選手の獲得を決めたわけだが、まだ補強プランは終わっていないようだ。
ニューヨーク出身のカナダ代表MFで、現在リールに所属するジョナサン・デイヴィッドに興味を示している。屈強な肉体を有し、両足でボールを扱える技術も兼ね備える。昨シーズンはベルギーリーグのKAAヘントで大活躍。全コンペティションを通じて40試合23ゴール10アシストを記録し、点も取れる攻撃的MFであることを証明した。
カナダ代表と言えば、昨年にバイエルン・ミュンヘンでブレークしたアルフォンソ・デイヴィス。それまで左サイドバックを務めたダビド・アラバをセンターバックに追いやり、スタメンの座を確保。圧倒的なスピードで相手ディフェンスを抜き去り、ドリブルで相手を置き去りにする。チャンピオンズリーグ制覇を含む3冠を達成したバイエルンで、重要な役割を果たした。
同郷の選手に触発されたのか、抜群の活躍でヨーロッパ中の注目を浴びたジョナサン・デイヴィッドだが、今夏の移籍市場でフランスのリールへと移籍している。すでに主力として、4試合に出場しており、得点アシストともにゼロであるものの、今後への期待は大きい。
獲得の噂が過熱していたイスマイラ・サールや新加入ディオゴ・ジョッタらとともに、スカウトチームが成長を間近で観察していたようで、名前こそ報道されていなかったが、獲得リストにも名前が記載されていた。
ただ、状況は一変する。カナダ代表MFはフランスへの移籍を決断しており、今夏のリバプール移籍はまずありえない。さらにジョッタの加入で前線の枚数は足りている。いまは余剰人員の整理に向かっており、新たな新加入選手の発表はセンターバック以外には考えにくいだろう。
ベルギーでの大爆発のように、リーグアンでも活躍することができれば、さらなるステップアップとしてアンフィールドへの移籍も現実的になる。近年は若手北米選手の活躍がヨーロッパでは目立っており、その先駆者になり得るポテンシャルを持っている。デイヴィッドの成長には、スカウトのみならず、ファンも注目していきたいところ。