ウェールズ代表では背番号10を背負うハリー・ウィルソン。年齢はすでに23歳とローン移籍から卒業すべき年齢であり、今夏の完全移籍が濃厚であった。プレミアリーグクラブがこぞって興味を示し、バーンリーが最も獲得に近づき、具体的なオファーを提示したものの、リバプールは首を縦に振らなかった。
同じタイミングで移籍交渉が進んでいたとされるシェルダン・シャキリの完全移籍もまとまらず、スイス代表FWの残留が確定。ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズから加入したディオゴ・ジョッタに加えて、ディボク・オリギや南野拓実らライバルがひしめき合うチーム事情もあり、国内移籍期限ぎりぎりで、チャンピオンシップ所属カーディフ・シティへと1年間のローン移籍が決定した。
昨シーズンはボーンマスでプレミアリーグを舞台に躍動し、惜しくもボーンマスは降格してしまったが、違うクラブでふたたび輝くものと思われていただけに、本人の失望は計り知れない。一方で、安い値段でライバルクラブに有望株を譲るのは嫌だし、新型コロナの影響で収入源が免れない中で、少しでも移籍金を得たいというリバプールの気持ちも理解できる。
今季からチャンピオンシップで戦うボーンマスに所属するイングランド・ヘイスティングス出身MFスティーブ・クックは、プレミアリーグでの移籍が成立しなかった元チームメイトを慮って、ガッカリしたと、正直な気持ちを吐露した。
「彼(ハリー・ウィルソン)のことについては、ガッカリさせられたよ。プレミアリーグでプレーすべきだし、それだけの価値がある選手だと思ってる。彼はトッププレーヤーであり、カーディフによるハリー・ウィルソン獲得は非常に賢い選択だったね。」
「(ボーンマスと対戦する)今週の水曜日はあまり活躍しないことを願っている。最近はそこまで試合に出場していなかったから、どうなるか見てみよう。」
「ウィルソンに会えるのは楽しみにしているけど、チームとしては週末のQPRとの引き分けから立ち直るためにも、カーディフ戦も楽しみだね。もしカーディフに勝つことができれば、その後の試合にも良い状態を維持できるはずさ。」
チャンピオンシップへ移籍してすぐに古巣との対戦が待ち受けるハリー・ウィルソン。ボーンマス相手に好パフォーマンスを披露し、良い意味で古巣に恩返しできるのか…プレミアリーグやチャンピオンズリーグだけではなく、チャンピオンシップにも十分に着目していきたい。問題はどこで放映されているかがわからないことだけだ…