飛び込んできたニュースによると、リバプールは負傷者が相次ぐセンターバックの獲得リストをまとめ、最優先候補としてRBライプツィヒ所属CBダヨ・ウパメカノに照準を合わせた模様。先日にはクラブOBであるジェイミー・キャラガーが推薦していた選手であり、今夏には数多くのクラブが触手を伸ばしていたが、最終的には残留している。
RBライプツィヒの最終ラインを支え続ける強靭でありつつも、スピードがある現代的なセンターバック。フランス代表でもデビューを飾り、順風満帆のサッカー人生を歩んでいる。足下の技術も問題なく、フィジカル勝負も多いプレミアリーグにおいても優れた対人守備能力を有しており、リバプールの戦術さえ理解できれば、早く慣れるだけの実力を持っている。
ディフェンスリーダーを失ったリバプールは、次世代ディフェンスリーダーであるジョー・ゴメスも失い、両選手ともシーズン最終盤までの復帰は絶望な状況だ。ファビーニョも負傷離脱中であり、残るは怪我を繰り返すジョエル・マティプのみであり、危うい陣容が続いている。経験値で不安が残るナサニエル・フィリップスとリース・ウィリアムズが好パフォーマンスを見せているが、継続性には疑問が残る。
ジョーダン・ヘンダーソンをセンターバックで起用するウルトラCもあるにはあるが、昨シーズンに起用したクラブワールドカップでは安定しているとは言い難く、フィリップスやウィリアムズを起用して、その前で守備的MFとして支えるのがベストな選択肢だろう。無所属のダリル・ヤンマートにオファーを提示したという報道があるものの、あくまで短期的措置…ファビーニョ復帰が待ち焦がれる。
来年1月に開かれる移籍市場までは現有戦力で回さなければならないが、移籍市場では大鉈を振るうはずだ。いや、有無を言わせず、振るわなければいけない。ここに来て、大本命に急浮上してきたのが、RBライプツィヒで世界でも有数の若手DFダヨ・ウパメカノだ。主力CBが3名も離脱している状況だけに、移籍金を費やす覚悟を決めていることだろう。
予想される移籍金額は4000万ポンド(約56億円)。新型コロナで入場料収入などが大幅に減収に陥っている中で、4000万ポンドにも上る支払いは大きな痛手である。同じく獲得を希望しているブライトン所属CBベン・ホワイトに比べると、実力や金額などを複合的な検討し、フランス代表DFに全神経を集中させる決断が行われたようだ。
他の候補は、シャルケ所属CBオザン・カバクやトリノ所属DFブレーメルがリストに上っている。万が一、ダヨ・ウパメカノやベン・ホワイトを逃してしまった場合は、彼らとの交渉が始まることになる。ユルゲン・クロップ監督になり、獲得選手がことごとく活躍しており、世間的にも評価が高い選手たちだけに、どの選手であれ、緊急事態を救ってくれる…はず。
リバプール同様にプレッシングサッカーを展開するレッドブルグループの一角であるRBライプツィヒ。過去にナビ・ケイタを獲得しており、関係値は良好。兄弟クラブRBザルツブルクからは昨年冬に、南野拓実を連れてきており、レッドブルグループとの関係も構築できている。さらには、サディオ・マネもRBザルツブルクで活躍した過去がある。
懸念点はリバプールがセンターバックを欲しがることが筒抜けになっており、各クラブに足下を見られること。そもそも冬の移籍市場で放出したいクラブは多くない上で、即戦力なセンターバック獲得に躍起のリバプール相手に、交渉で通常よりも高い金額を提示されてしまう可能性も否めない。
しかし、スポーティング・ディレクターのマイケル・エドワーズは百戦錬磨。今年の夏も見事な手腕を発揮した。イスマイラ・サール獲得を目指し交渉を進めていたが、移籍金の支払い方法に渋っていたワトフォードとの交渉を即座に中止。すぐにウルヴァーハンプトン・ワンダラーズとの交渉へと切り替え、怒涛の勢いでディオゴ・ジョッタ獲得に漕ぎ着けた。ジョッタのその後の活躍はご存知の通り。
即戦力を適正価格で補強する。通常とは異なる状況なだけに、交渉は難航が予想されるが、実力実績ともに証明し続けてきたリバプールの選手獲得フローに期待したい!