今年夏の移籍市場でも放出候補に挙がっていたスイス代表FWシェルダン・シャキリとベルギー代表FWディボク・オリギ。最終的には残留し、カップ戦を中心に出場機会を得ており、強力スリートップのバックアップとしてチームを支えている。
ディボク・オリギはチャンピオンズリーグ制覇したシーズンに輝きを見せた。準決勝ではバルセロナ相手にアンフィールドで劇的かつ意表をついたトレント・アレクサンダー=アーノルドのコーナーキックに唯一反応し、決勝点を奪った。続く決勝戦でもトッテナム相手に追加点を挙げ、ヨーロッパ王者において、シンデレラボーイとなり、ファンの愛情を一身に受けた。
かたやシェルダン・シャキリは加入初年度にインパクトを残した。降格したストーク・シティから加わると、巧みなドリブルと卓越したパス能力で躍動した。マンチェスター・ユナイテッド戦に途中出場から2ゴールを奪い、勝利に導いた活躍はいまでも語り草となっている。
ディオゴ・ジョッタが加入した今シーズンは、両選手とも序列を落とした。昨シーズンに目立った活躍ができなかったオリギは、プレミアリーグではほとんど出場機会に恵まれずに、日本代表の南野拓実よりも優先順位が低い。シャキリはここ2シーズンの間、負傷に泣かされ続け、復帰と離脱を繰り返している。
実力や怪我、新戦力の加入によって、クラブでも必要不可欠な存在ではなくなってしまったようだ。報道によると、リバプールのユルゲン・クロップ監督は両選手の放出を考えており、緊急事態のセンターバック獲得費用に充てるための移籍金確保を目論んでいる。
とくにスイス代表FWについては、今夏の移籍市場の締め切り間近に、完全移籍の交渉が頓挫した経緯がある。ここに来て少し評価を高めたシャキリだが、先週のアタランタ戦ではコンディション不良でベンチ入りすらしておらず、チーム側からすると計算できない選手である。能力は一級品なだけに、「売れる時に売る」のは賢い選択肢だろう。
ベルギー代表FWに関しても、伸び悩んでいるのは明らかで、ポジションを掴みきれないどころか、ほぼ試合にすら出られない。若手FWリアン・ブリュースターをシェフィールド・ユナイテッドに売却してため、極端に前線の枚数を減らしたくはないが、適切な額でのオファーが届けば放出も賢明と言える。
だたし今冬の段階での前線2枚の同時放出は、厳しいスケジュールの中で戦うリバプールにとっては考えにくい。シャキリかオリギどちらかの放出は十分に考えられ、売却益をセンターバックの移籍金の足しにしたいところだ。