昨年夏から話し合いを続けてきたリバプールとジョルジニオ・ワイナルドゥムだが、全く進展が見られずに、すでに2月も中旬。残り4ヶ月と迫った契約満了まで引き留めに向けた交渉がなされると予想されるが、今夏での退団の可能性がますます高まっている。
ブライトン所属MFイヴ・ビスマやリールMFレナト・サンチェスといった現実路線の他に、サプライズ補強要因tしてレスター・シティMFユーリ・ティーレマンスやデクラン・ライスといった名前が頻繁に取り沙汰されている。また、ユース出身のカーティス・ジョーンズが今シーズンは好調を維持しており、後釜として期待されている。
リバプールにおけるワイナルドゥムの役割は多岐に渡り、特異な能力だけに、そっくりそのまま入れ替えるのは難しい。センターバック・クライシスの現時点では、守備的MFを担い、中盤の底でフィルターの役割を務める。
通常はインサイド・ハーフで、攻撃にも、守備にも走り回り、ゲーゲンプレスを体現している。一方で、適切なポジショニングで相手のチャンスの芽を摘み、包囲網を突破された際にはスプリントして身体を張った守備にも定評がある。
攻撃時に、前線との仲介役に徹する。パスを回し、フロントスリーやサイドバックの攻撃をサポートする。状況に応じて、ペナルティエリアにも入り込み、ゴールやアシストで得点にも絡む。オランダ代表では得点を量産しており、トップ下でもプレー可能。すべてを高いレベルでこなせる選手であり、プレミアリーグ王者にはまさに欠かせない貴重な戦力である。
そんなオランダ代表MFの代わりになれるかもしれない選手がいる。噂にも上がらず、クラブと2025年まで契約を結んでおり、移籍の確率は限りなく低いものの、獲得できたら非常に面白いオプションになれそうなのが…今シーズン好調なアストン・ビラ所属MFジョン・マッギンだ。スコットランド代表では、アンディ・ロバートソンと同僚であり、左利きが多いスコットランド代表選手に漏れず、左足を利き足としている。
最大の魅力は、ピッチを縦横無尽に走り回ることができる運動量。攻撃や守備で抜群のスタミナでつなぎ役やボール奪取を絶えず行う。ジャック・グリーリッシュやロス・バークリーら攻撃に強みを持つ選手の守備負担を軽減させ、チームに欠かせない存在として、現時点まででプレミアリーグ20試合1ゴール5アシストを記録している。
1.78cmと決して身長が高いとは言えない。それでも、強い体幹で激しい守備を遂行でき、相手選手に負けない。剥がされたときしても、自慢の粘り強さで執拗にボール保持者を追いかける。中盤の広範囲をカバーできるだけに、守備においてはワイナルドゥムと同様の仕事ができるはずだ。攻守の切り替えも問題なく行え、クロップ監督が目指すサッカーへの適応も容易だろう。
攻撃面でも力強さを発揮し、重心の低いドリブル突破でファイナルサードへ侵入することもしばしば。キック力も持ち合わせており、ロングシュートも得意としている。攻撃時もいろんなポジションに顔出せるため、守備陣と前線の選手とのリンクアップマンとしても機能し、あまりいない左利きというアクセントも加えられる。
パスセンスやシュート力については、改善の余地あり。ワイナルドゥムとの比較で劣っており、貴重なゴールでチームを何度も救ってきた選手の代わりにはなれない。さらには、ヘディングにも強みを持つオランダ代表とは異なり、ジャンプ力はないため、セットプレーや競り合いの場面では周りのフォローが必要不可欠。
どの選手を見ても、万能型MFワイナルドゥムと同等の能力は求めれない。強靭な肉体やパスセンスを有するイヴ・ビスマ、テクニックと走力を持つレナト・サンチェス、より攻撃的なカーティス・ジョーンズ…
本命のセンターバック獲得やフロントスリーとポジションを争える前線の選手と移籍市場では優先すべきポジションも多く、パンデミックの影響で潤沢な予算確保は困難。ジョン・マッギンはあくまで個人的にアンフィールドで観たい選手であるが、中盤選手に大金を費やすことはないはず。そうなると、カーティス・ジョーンズが守備への切り替えやポジショニングの改善を促す方が現実的か。
みなさんも試合を見ていく中で、この選手がリバプールにいたら…と妄想してみてはいかがだろうか?